事務局長談話

 
2021年03月11日
東日本大震災から10年が経過して(談話)
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

1.犠牲になられたすべての方に哀悼の意を表する
 東日本大震災の発災から10年が経過した。未曾有の災害により、多くの尊い命が奪われた。あらためて、犠牲になられたすべての方々に謹んで哀悼の意を表する。そして、大切な家族や仲間、住む場所や働く場所を失い、穏やかな日常を奪われた方々が、その悲しみと喪失感を抱えながらも、幾多の困難を乗り越えるべく歩みを進めておられることに心から敬意を表する。

2.復興・再生は道半ば 課題解決へ継続した取り組みを
 被災地では、交通や住宅など生活インフラの復旧・再建は着実に進んできたものの、今なお4万人を超える方々が避難生活を余儀なくされている。
 連合はこの間、復興・再生に向けた政策・制度実現のため、現地ヒアリングで得られた声をもとに政府・自治体への要請行動を行ってきた。しかし、「心のケア」「教育」「風評被害の払拭」「産業・雇用の復興」など課題は山積しており、解決は道半ばである。生活と将来の希望を確かなものとするためにも、復興・再生に向けた取り組みの継続が求められる。

3.被災地に寄り添い、「支え合い・助け合い」の取り組みを実践
 発災当初から連合は、全国での街頭募金、延べ3万5千人の組合員ボランティアの派遣など、行動を展開した。その後も被災地物産品の販売、被災地の子どもを元気づけるための「東北のこども応援わんぱくプロジェクト」の実施、震災を風化させないための「絆フォーラム」の開催など、様々な取り組みを行ってきた。労働組合の原点である「支え合い・助け合い」を実践する中で生まれた、人と人との「絆」の尊さを再認識し、これからも被災地に寄り添っていく。

4.震災を風化させず、その教訓を防災・減災につなげていく
 人口減少などの構造的な課題に加え、自然災害が広域化・激甚化し、さらにコロナ禍の影響も加わる中、わが国の防災・減災対策は新たな対応が求められている。東日本大震災から10年が経過した今、社会全体で大震災の経験と教訓を次代に継承し、今後の対策強化に活かさなければならない。連合も労働運動の立場から、どのような状況においても、誰一人取り残されることのない社会の実現に向けて、引き続き取り組みを進めていく。

以 上