事務局長談話

 
2020年06月17日
第201通常国会閉会にあたっての談話
日本労働組合総連合会
事務局長     相原 康伸

1.補正予算の成立などは評価するが、課題山積の中での国会閉会は極めて遺憾
 1月20日召集の第201通常国会が6月17日に閉会した。新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るうかつてない危機の中、新型コロナウイルス対策政府・与野党連絡協議会など、政府・与野党が知恵を出し合いながら対応にあたり、連合が要請した政策についても補正予算などに盛り込まれた点は評価する。しかし、第二波到来を想定した備えや機動的・継続的な雇用・生活・経済への支援、そして予算執行などに対する行政監視の必要性などから、会期延長を求めた野党の声に耳を傾けることなく閉会されたことは極めて遺憾である。

2.政府・与党の国会対応は政治不信を助長しかねない
 今国会でも、開会直後から国会軽視とも取れる政府の対応が相次いだ。また、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大に際しては、初期の感染拡大防止策の不備や第一次補正予算案の組み替えにみられる支援策の遅れが、国民に不安や混乱をもたらした。
 一方、このような中で検察庁法改正案の審議を強引に進め、ネット上や各界から多くの批判の声が挙げられた。国民生活に寄り添ったとはいえない政府の姿勢に改めて猛省を促したい。また、多くの国民が依然として苦境に立たされ、国家が国民の生命・財産を守る責務を果たすべき時に、持続化給付金事業の不透明な業務委託問題などの幕引きをはかるかのごとく国会を閉会させた政府・与党の判断は看過できない。かねてから連合が主張する、審議充実のための実質的な国会通年化は早急に検討されるべきである。

3.政治の信頼回復につながりうる野党共同会派の役割発揮を評価
 今般の危機における二度の財政措置等に対し、立憲民主党・国民民主党をはじめとする共同会派は、迅速な建設的提案と徹底したチェック機能を背景に、今国会において一定の存在感を示した。野党の対応にもとづく緊張感ある国会審議は、国民の利益はもとより政治に対する信頼の重要性を一層際立たせた。今後も真摯な議論を積み重ね、政策にさらに磨きをかけ、より多くの国民から支持を集め得る基盤強化を期待する。

4.引き続き安心で持続可能な社会の実現をめざす
 連合は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、構成組織・地方連合会、さらには労働相談で寄せられた声を取りまとめ、政府・政党などへの政策要請をはじめ、様々な活動を通じてその実現に取り組んできた。コロナ禍で再認識されたわが国のセーフティネットの脆弱性や、いわゆるコロナ時代の社会像の提起を通じ、引き続き、安心で持続可能な社会の実現に向けて、力強く政治・政策活動を推進していく。

以 上