事務局長談話

 
2020年05月15日
国家公務員法等の一部を改正する法律案において措置されている検察庁法改正案に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長   相原 康伸

1.検察官の独立性を脅かすことについて強く危惧する
 検察庁法改正案が衆議院で審議されている。本改正案は、検察官等を除く一般の国家公務員の定年引き上げが盛り込まれた国家公務員法改正案との「束ね法案」として内閣から提出されている。
 本改正案は、検察官の定年引き上げに加え、役職定年制と同趣旨の制度の導入とこれに伴う勤務延長制度が追加されたことで、内閣の恣意的な人事権の行使により検察の政治的中立性や独立性が脅かされかねず、このことについて強く危惧する。新型コロナウイルスの感染拡大の対応が迫られる中、とりわけ、国民の多くの疑念に対し、政府の説明が尽くされているとは言い難い。こうした環境において、本改正案を強引に審議し成立させることは、到底理解を得られるものではなく、ここに強く抗議する。

2.引き続き民主主義の健全化に向けた取り組みを推進
 連合は、公務員の65歳への定年の引き上げは諸環境の変化等を踏まえた、不可欠な勤務条件であり、必要とされる社会的政策と認識してきた。従って、本改正案については、「検察官の勤務延長規定を削除すれば賛同できる」と表明している野党(共同会派)が主張しているとおり、本来であれば国家公務員法改正法案から切り離した上で、検察官人事における内閣の関与の範囲など丁寧な検討が必要である。その上で、国民の疑念に対し真摯に対応すべきである。
 連合は、野党(共同会派)と引き続き連携を強化し、三権分立を守り民主主義の健全化に向けた取り組みを進めていく。
 また、多くの国民が新型コロナウイルスの影響で困難に直面する中、国民の生命と健康を守りすべての働く者の安全と安心の確保に向けて、構成組織・地方連合会と一体となり、全力で取り組んでいく。

以 上