事務局長談話

 
2020年03月13日
新型コロナウイルス感染症緊急対応策(第2弾)および新型インフルエンザ等対策特別措置法改正に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長   相原 康伸

1.休業を余儀なくされる者への十分な所得補償に全力をあげるべき
 3月10日、政府の緊急対応策(第2弾)が決定された。学校の臨時休校に伴う休業に対する雇用者への補償に加え、一定の要件を満たすフリーランスも支援の対象とした点は評価できる。ただし、政府による所得補償金額がそれぞれ上限8,330円、一律日額4,100円とされたことは不十分と言わざるを得ない。また、事業主への雇用調整助成金については、全国一律で助成率の拡充をすべきである。

2.サプライチェーン全体の維持・確保、中小・小規模事業者への事業継続支援が重要
 中小・小規模事業者に対する特別融資の拡大・実質的な無利子化などは、連合の要請に応えるものであり評価できる。中小・小規模事業者の経営環境の早期安定化に向けて、相談窓口の強化、手続きの簡素化、速やかな融資の実行など、実効性も高めるべきである。加えて、サプライチェーン全体の維持・確保に向け、親事業者に対し、下請事業者との適正取引の確実な実施と需要回復時の取引上の配慮を強力に求めるべきである。

3.特措法改正による危機管理の徹底に期待するが、緊急事態宣言は抑制的に
 新型インフルエンザ等対策特別措置法改正により法的根拠にもとづく危機管理の徹底が期待される。一方、附帯決議で国会への事前報告が明記されたことからも、緊急事態宣言の発令は私権の制限にもつながりかねない。発令にあたっては慎重かつ冷静で抑制的でなければならず、検討過程の透明性も確保されるべきである。

4.雇用と家計を支える大胆な経済対策の検討が必要
 世界規模のウイルスの流行は、一層、社会・経済活動を停滞させ、働く者の生活基盤を脅かしかねない。今回の緊急対応策に加え、今後の経済・雇用動向を見極めつつ、財政規律も念頭に、雇用と家計を支える大胆な経済対策の検討も進めるべきである。
 また、課題が浮き彫りとなっているフリーランスなど雇用類似の就労者に対するセーフティネットのあり方についても早急な検討が必要である。
 連合は、働く者・生活者が不安なく日常生活を送り、適切な社会・経済活動が営まれるよう、機動的な政策対応を政府・政党に求めるなど、社会的役割を果たしていく。 

以 上