事務局長談話

 
2019年07月31日
2019年度地域別最低賃金額改定の目安に関する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

  1. トップランナーであるAランクは初めて1,000円超に到達。全国最低800円確保に向けては、さらに前進
     7月30日、中央最低賃金審議会の「目安に関する小委員会」(委員長:藤村博之法政大学大学院教授)は、Aランク28円、Bランク27円、Cランク26円、Dランク26円とする2019年度地域別最低賃金額改定の目安を取りまとめた。
     時間額に一本化された2002年以降、Aランクが初めて1,000円超に到達し、Dランクは過去最高の引き上げとなる目安が示された。800円以下の県は減少が見込まれ、全国最低800円の確保に向けてさらに前進したものと受け止める。

  2. ランク間差の是正が一定程度はかられた
     労働者側委員は、最低賃金額が低位にある地域では働き手の流出への危機感が強く、地域間格差の是正が急務であることに重大な問題意識を持って審議に臨んだ。また、最高額と最低額の比率の改善のみならず、金額差も縮めるべきであり、あわせてランク間差も是正すべきであると主張した。
     目安段階では、最高額と最低額の比率は77.3%から77.7%へ0.4ポイント改善する。金額差については、AランクとDランクの差が昨年の4円から2円に減少、CランクとDランクは同額となり、格差拡大に一定の歯止めがかかったと受け止める。

  3. 消費税増税の価格転嫁も含めた中小企業の支援策が重要
     中小企業・小規模事業者が継続的に賃上げしやすい環境整備の必要性については労使共通の認識であり、とりわけ、最低賃金引き上げに伴う労務費の上昇分や消費増税の影響を取引対価へ円滑に転嫁するなど、取引の適正化にむけた施策の速やかな実行を政府に強く要望した。

  4. 最低賃金引き上げの速やかな発効を重視する
     中央最低賃金審議会の答申後に開催される地方最低賃金審議会の金額審議に臨む地方連合会等は、すべての働く者の処遇改善に向けて、最低賃金額引き上げの速やかな発効を重視し、目安を尊重した審議に努めていく。
     
    以 上