事務局長談話

 
2019年06月19日
「女性活躍加速のための重点方針2019」の閣議決定に対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

  1. 女性に対するあらゆる暴力の根絶を明記したことは評価
     政府の「すべての女性が輝く社会づくり本部」は6月18日、「女性活躍加速のための重点方針2019」を閣議決定した。女性活躍の大前提として女性に対するあらゆる暴力の根絶を明記したことは一定の評価ができる一方、いわゆる「男社会」の中で女性が感じている様々な差別や困難についての現状分析は不十分であり、不足した労働力の補完として女性の就労を求める記述が目立つなど、政府の掲げる「女性活躍」の意図には懐疑的にならざるを得ない。

  2. DVやハラスメント被害の深刻さに鑑みて、早急の対応が必要
     重点方針2019は、「人生100年時代において多様な選択を可能とする社会の構築」、「女性活躍を支える安全・安心な暮らしの実現」、「生産性向上・経済成長・地方創生の切り札」の視点から、①女性の活躍を支える安心・安全な暮らしの実現、②あらゆる分野における女性の活躍、③女性活躍のための基盤整備、を柱としている。その上で、セクシュアル・ハラスメントや性犯罪の根絶に加え、DVや複合的困難を抱える女性を支援する「民間シェルターへの取組推進や連携」、各国に比べて貧弱な「ジェンダー統計の充実」が盛り込まれた点は特徴的であり、DV等の事態の深刻さに鑑みれば早急の対応が必要である。

  3. 真の女性活躍推進には性別役割分業意識からの脱却が大前提
     あらゆる分野での女性活躍を羅列しつつも、「子育てがひと段落した女性」の再就職支援や、「子育てが一区切りした時期は高齢の親の介護が始まる時期」等の記載から、子育てや介護は女性が担うものであるという、従来の性別役割分業意識が表出している。その意識を前提にしたまま、育児・家事に加えて、女性活躍の名のもとに、健康寿命の延伸と生涯にわたる就労を一律に求めるものであってはならない。長時間労働の是正と、男性の家事・育児参加への意識変革、なによりも旧来の性別役割分業意識からの脱却なくしては、真の女性活躍は実現しない。

  4. 国際社会から取り残されないジェンダー平等の早期の対応を
     政府は、国連女性差別撤廃委員会をはじめとする国内外から指摘されている、選択的夫婦別氏制度の早期導入や女性の再婚禁止期間撤廃など、ジェンダー平等に関する課題を重く受け止め、早急に対応すべきである。加えて、ILO条約案が求めるハラスメント行為そのものを禁止する法整備を急ぐべきである。連合は、性別等に関係なく、誰もが平等で差別されることのない社会の構築をめざし、今後も組織をあげて取り組んでいく。
    以 上