事務局長談話

 
2019年06月14日
ベルコ問題に対する北海道労働委員会命令に関する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

  1. ベルコの使用者性を正面から認めた命令として高く評価
     6月13日、北海道労働委員会は、労働組合を立ち上げようとした従業員2名を解雇した冠婚葬祭業を営むベルコに対して、労働組合法第7条第1号・第3号に該当する不当労働行為と認定し、職場復帰等を命じる命令を下した。本命令は、契約形式ではなく労働の実態を的確にとらえて、代理店が雇用する従業員に対するベルコの使用者性を正面から認めたものであり、高く評価したい。連合はベルコに対し、本件救済命令に従って、労働組合に不当労働行為を謝罪し、速やかに組合員2名を職場に戻すことおよびバックペイを支払うことを求める。

  2. 契約の形式にとらわれ実態を顧みようとしない一審判決
     ベルコの従業員6,806名(2018年3月現在)の内、正社員はわずか37名に過ぎず、残りの6,769名は、形式的には業務委託とされている支部・代理店たる労働者と支部・代理店に雇用させたことにしている労働者である。しかし、実質的な指揮命令はベルコが行っているという、極めて特異な雇用実態にある。原告の労働者は、札幌地裁に地位確認等を求めて提訴したが、2018年9月28日の判決では、「原告とベルコとの間に労働契約は成立していない」としてベルコの使用者性は否定され、原告の請求は棄却された。この判決は、業務委託契約の形式にとらわれて実態を顧みようとしない、極めて問題の多い判決である。

  3. 問題の本質は、業務委託契約の濫用による使用者責任逃れの可否
     労働組合結成の2人を解雇した本件について、全ベルコ労働組合・原告を中心に、裁判に訴えるとともに労働委員会への救済申し立てを行い、ベルコによる不当労働行為を争ってきた。この問題の本質は、支部や代理店など業務委託契約を濫用し、使用者責任を逃れようとするベルコが、申立人らの使用者にあたるのか否か、という点にある。今回の命令を、札幌高裁での控訴審の闘いに、着実につなげていかなければならない。

  4. 日本の雇用を守る闘いと位置づけて全力で取り組む
     連合は、全ベルコ労働組合、情報労連、連合北海道と十分な連携のもと、原告や弁護団とともに、日本の雇用を守る闘いと位置づけて、労働委員会や裁判はもとより街宣活動など幅広く運動を展開してきた。仲間の苦労に向き合い、職場を良くしたい一心で労働組合を立ち上げた者が、団結権の行使の故に解雇されてはならない。そして、契約の形式を濫用・偽装すれば、労働法を潜脱できるというビジネスモデルを決して許してはならない。連合は、働く仲間を守るため、控訴審での勝利に向けて、全力を挙げて取り組んでいく。
    以 上