事務局長談話

 
2019年05月29日
女性活躍推進とハラスメント対策に関する法律の成立に対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

  1. 法律は男女平等の実現とハラスメント対策のための着実な一歩
     5月29日、参議院本会議において「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案」が、与野党の賛成多数により可決、成立した。男女平等の実現が遅々として進まず、また、日本社会の様々な場面においてハラスメントが蔓延する中、連合は、それらへの取り組みや対策を強化していくための着実な一歩として、同法の成立を評価する。

  2. 女性活躍推進・ハラスメント対策ともに課題も残る
     女性活躍推進については、一般事業主行動計画策定義務の対象拡大や情報公表等のあり方の拡充などがはかられるが、状況把握も含め、連合が求めてきた項目の見直しは行われなかった。一方、ハラスメント対策については、職場のパワーハラスメントの防止措置義務やハラスメント全般に関する国、事業主、労働者の責務の法制化などが盛り込まれたが、ハラスメント行為そのものの禁止は見送られ、また、社外の労働者に対するハラスメントは配慮規定にとどまった。女性活躍推進・ハラスメント対策ともに少なからず前進がはかられたものの、課題も残った。

  3. 野党が獲得した意義ある成果を今後の労働政策審議会の議論に活かす
     連合は、集会の開催や、連合フォーラム議員、関係団体等との連携を通じて世論喚起をはかりつつ、国会対応等の取り組みを進めてきた。国会では、政府案に対して、野党が足らざる内容を中心に「『セクハラ』禁止法案」、「『セクハラ』・『マタハラ』に係る均等法改正法案」等4つの法案を提出したことで論点がより明確となった。結果、性的指向・性自認に関するハラスメントがパワーハラスメントの防止措置義務の対象になることも含めて、連合が求めてきた内容が数多く附帯決議に盛り込まれた。各党が持ち味を発揮しつつ、お互いの立場を尊重しながら獲得した意義ある成果を、連合は、今後の労働政策審議会の省令・指針等の議論に活かしていく。

  4. 本法を背景に政府はILO条約案の支持と、批准に向けたさらなる法整備を
     2019年6月にはスイス・ジュネーブで国際労働機関(ILO)第108回総会が開かれ、「仕事の世界における暴力とハラスメント」に関する条約案が採択される見込みである。政府は、今回成立した法律を背景に、ILO条約案への支持を表明するとともに、附帯決議を踏まえ、より実効性を高める省令・指針等を策定すべきである。その上で、条約の批准という次のステージに向けて、残された課題を中心にさらなる法整備を進める必要がある。連合は、ハラスメントのない社会の実現に向けて、引き続き大衆行動等の世論喚起をはかりながら、取り組みを展開していく。
    以 上