事務局長談話

 
2019年02月13日
労政審障害者雇用分科会意見書「今後の障害者雇用施策の充実強化について」に対する談話
日本労働組合総連合会
事務局長 相原 康伸

  1. 国等の機関における障がい者雇用の促進に向けて早期に実現すべき
     本日、労働政策審議会障害者雇用分科会(分科会長・阿部正浩中央大学経済学部教授)は、意見書「今後の障害者雇用施策の充実強化について」をとりまとめ、労働政策審議会会長より厚生労働大臣に報告することとした。この意見書は、国および地方公共団体(以下「国等」とする)による障がい者雇用率の不正な計上があり、再発防止策が中心とならざるを得なかった。国等の機関において質・量ともに適切な形で障がい者雇用を進めていくために必要な内容が盛り込まれており、早期に実現すべきである。

  2. 合理的配慮の提供なども合わせた適切な採用計画が不可欠
     意見書には、関係閣僚会議決定の「公務部門における障がい者雇用に関する基本方針」にもとづき、①国等の機関による任免状況の報告の義務化、②障がい者雇用に関する質の確保に資する計画の作成・公表規定、③障害者雇用推進者等の選任配置、などが盛り込まれた。チェック機能をさらに強化し、再発防止の実効性を高めるべきである。また、国等の機関の法定雇用率の達成のためには、少なくとも1万人(各府省4千人、地方公共団体6千人)の雇用が必要となる。合理的配慮を含め職場の体制を十分整え、適切な採用計画を策定・実施することが不可欠である。

  3. 残された重要事項についても速やかに検討を
     意見書では、2018年7月の研究会報告書を踏まえ、民間企業に関する法整備事項として、①週所定労働時間20時間未満の障がい者雇用への支援、②障がい者の雇用促進で優良な事業主(中小企業)の認定制度の創設を盛り込んだ。②の認定制度では、「除外率を加味しない法定雇用率の達成」を評価項目に入れるなど、真に模範となる項目を追加すべきである。また、障がい者雇用率制度の対象者の範囲の検討や除外率制度、通勤支援などの重要事項も、速やかに検討を開始すべきである。

  4. 連合は障がい者雇用の「質と量」の改善を促進していく
     今後、意見書を受けて、通常国会に障害者雇用促進法改正法案が提出されることが見込まれている。連合は、国会における充実した審議を求めるとともに、構成組織・単組・地方連合会が連携し、障がいの種類・程度にかかわりなく、働くことを希望するすべての者が、安定的にディーセントな環境で働き続けられる職場・社会の構築に向けて、取り組みを進めていく。
    以 上