事務局長談話

 
2019年01月16日
「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案」に対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

  1. 企業統治において一定の改善が期待できる内容と受け止める
     1月16日、法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会は、「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案」を確認した。要綱案は、株主総会に関する手続きの合理化や取締役の報酬等に関する規律の見直しなど会社法の整備を行うというものであり、企業の適切な情報開示をはじめ、企業統治において一定の改善が期待できる内容と受け止める。

  2. 株主総会資料の電子提供制度の新設や役員報酬の情報開示の充実が盛り込まれる
     株主総会に関する手続きの合理化については、株主総会資料の電子提供制度を新設するとともに、株主は資料の書面交付を請求することができるものとした。これらは、当部会において連合が求めてきた内容であり、株主の権利を確保しつつ、株主の利便性向上、会社のコスト削減、会社と株主の建設的な対話の促進などが期待できる。
     また、取締役の報酬等に関する規律の見直しについては、報酬等の決定方針に関する事項や報酬等の種類ごとの総額等が事業報告の項目に盛り込まれることとなり、情報開示の充実がはかられることは評価できる。しかし、連合が求めた個人別の報酬内容の開示は見送られ、課題を残した。
     

  3. 社外取締役制度の実効性確保が課題
     連合は、社外取締役を置くことについては是とした上で、それを法律で一律に義務付けることについて慎重な検討を求めてきた。本要綱案において上場会社や非上場の大会社を対象に設置の義務付けが盛り込まれたが、今後は、社外取締役が必要な社内情報を入手できる仕組みの構築をはじめ、その実効性の確保に向けた取り組みが求められる。

  4. 連合は責任ある企業行動に向けて、さらに取り組む
     今後、法制審議会総会での要綱の取りまとめおよび法務大臣への答申を経て、改正法案が国会に提出されることとなる。その一方で、今もなお企業不祥事が後を絶たない中、企業には、企業統治の強化をはじめ、より社会的責任を自覚した行動が求められる。労働組合も、企業の重要なステークホルダーとして、企業の取り組みにより積極的に関与する必要がある。連合は、構成組織・単組などへの理解・浸透をはかりながら、責任ある企業行動に向けた取り組みを進めていく。
    以 上