事務局長談話

 
2018年12月25日
特定技能に関する基本方針・分野別運用方針の閣議決定および「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」に対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

 

  1. 基本方針、分野別運用方針など、議論が不十分
     12月25日、政府は、在留資格「特定技能」に関する基本方針および分野別運用方針を閣議決定するとともに、「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」(以下、「総合的対応策」)を関係閣僚会議において了承した。2019年4月1日施行に間に合わせるために、入管難民法改正法案が臨時国会で可決・成立してから2週間余りで、精緻な議論がないままに決定されたことは、拙速と言わざるを得ない。
     

  2. 国内人材の確保に向けた施策や処遇改善は十分に行われたのか
     基本方針では、人材確保が困難な分野に限って受入れを行うことを明記している。分野別運用方針では、介護や外食を始めとする14分野において約34万人余りを受入れ、農業と漁業を除いては直接雇用を原則としている。2号特定技能については、分野別運用方針には明記されず、当面は受入れないこととされた。これらの内容を盛り込んだ分野別運用方針では、各分野での国内人材の確保に向けた施策や労働者の処遇改善の状況、受入れ見込数の算定根拠、1号特定技能に求める相当程度の知識または経験の具体的水準等について、開かれた場での議論および検証なき決定は極めて問題である。
     

  3. 多岐に亘る共生施策の実施には十分な財源が必要
     「総合的対応策」では、全国100カ所での一元的相談窓口の設置、多言語体制の整備や日本語教育の充実等、126項目に亘る施策が掲げられた。7月24日の関係閣僚会議了承の「検討の方向性」と比して、施策内容は、一定程度は豊富化された。一方、施策の実施を担う地方自治体が、集住地域だけでなく散在地域も含めて同一のサービスを提供するためには、国が責任をもって財源を確保すべきである。さらに、「総合的対応策」に掲げられた施策で足りるのか、着実に実行されているか、労使団体も含めた多様なステークホルダーが参画する場において検証し、日本に居住するすべての外国人が、安心して働き、生活できる環境を整えるべきである。
     

  4. 労働者の権利保護と労働関係法令遵守の徹底に向けて取り組む
     今後、特定技能に関して、受入れ機関が満たすべき基準や登録支援機関の基準等が省令において定められる。多数の失踪事案が発生した技能実習制度のように、最低賃金を大幅に下回る低賃金や長時間労働、労災隠しなどの労働関係法令違反や人権侵害事案が繰り返されるようなことがあってはならない。外国人労働者が安易に安い労働力として活用されることのないよう、日本で働くすべての労働者保護と法の実効性確保に向け、連合は構成組織、地方連合会とともに取り組んでいく。
    以 上