事務局長談話

 
2018年12月21日
「2019年度政府予算案」の閣議決定に対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸


  1. 国会において精査・修正が求められる
     12月21日、政府は一般会計総額を当初予算としては過去最大の101.4兆円とする2019年度予算案と、防災・減災、国土強靱化への対応を中心とする2.7兆円の2018年度第2次補正予算案を閣議決定した。政府は、全世代型の社会保障制度への転換や制度の充実にしっかり対応したとしているが、生活者・働く者の声に十分応えた内容とは言えない。また、2019年10月の消費税率引き上げに伴う需要変動対策として様々な施策が盛り込まれているが、政策効果、公平性、財政規律の観点から必要性・妥当性を見極める必要がある。年明けの通常国会における与野党の真摯な議論を通じた精査・修正を求める。

  2. 全世代支援型社会保障のさらなる充実をはかるべき
     社会保障関係費については、消費税率の引き上げにより介護・障がい福祉人材および保育士の処遇改善、年金生活者支援給付金の支給、社会的養育の充実など、社会保障改革が進められることについては評価できる。しかし、幼児教育・保育の無償化については、依然として待機児童が約2万人いることや、認可外保育が対象となることなど、政策の優先順位の点で疑問が残る。質の確保された保育等サービスの拡充など、全世代支援型社会保障のさらなる充実をはかる必要がある。
    外国人労働者の受入れに関連しては、在留資格「特定技能」や技能実習生など日本で働く外国人労働者の労働環境の整備および共生施策への財政的支援を行うべきである。

  3. 持続可能な財政運営のための歳出・歳入の一体改革を
     財政健全化に向けては、新規国債発行額を9年連続で減少させたとしているが、バブル期を上回る過去最高の税収を予め見積もって支えているに過ぎない。これ以上将来世代へ負担を先送りしないためにも、補正予算編成も含めた年度予算全体の中での財政規律を厳格化する必要がある。また、社会保障と税の一体改革の原点に立ち戻り、社会保障の大きな将来像とそれを支える税財政のあり方とともに、財政健全化に向けた具体的な道筋を国民に示していくべきである。その際には、人口減少・超少子高齢社会における社会保障とその財源確保のあり方を国民各層、労使、有識者、国会議員などとともに検討する場を創設すべきである。

  4. 「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け全力で取り組む
     経済を持続的に発展させ、包摂的な社会を構築していくには、雇用の安定と質の向上や、社会的セーフティネットの強化による将来不安の解消などを通じ、国民全体の「底上げ・底支え」「格差是正」を行う必要がある。連合は、それらの政策の実行を求め、財政制度等審議会での意見反映や政府・政党への要請行動を展開してきた。引き続き、政策・制度要求の実現、その先にある「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、全力で取り組んでいく。
    以 上