事務局長談話

 
2018年12月18日
COP24の閉幕に関する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相 原 康 伸

  1. パリ協定の実施指針は合意されたが危機意識の共有は不十分
     12月2日よりポーランド・カトヴィツェにおいて開催されていた国連気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)は、会期を1日延長し12月15日に「COP24決定」を採択し閉幕した。COP24の最大の目的であった、すべての国が共通のルールのもとで温室効果ガス排出削減の取り組みを行うためのパリ協定の実施指針が最終的に合意に至ったことは評価する。しかし、市場メカニズムに関するルールなど一部は先送りされるとともに、温暖化に脆弱な島嶼国などが求める速やかな削減意欲の向上など危機意識の共有についての議論は深まらず、不十分な面もあったと言わざるをえない。
     

  2. 「連帯と公正な移行のためのシレジア宣言」の採択は歓迎
     また、12月3日に行われた開会式典では、主催国のポーランド政府より「連帯と公正な移行のためのシレジア宣言」が提示され、日本を含む61の国と地域の賛同を得て採択された。同宣言は、各国政府が脱炭素に向けた産業転換による労働者への影響に最大限配慮する意思を表明するものである。同宣言の採択は、気候変動対策の枠組みにおいて、国際労働組合総連合(ITUC)が訴え続けてきた「公正な移行」の重要性が各締約国に共有されたものであり、連合はこれを歓迎する。
     

  3. 今後は各国政策による公正な移行の実現が不可欠
     一方で、ITUCが求めてきた「公正な移行」を実現するための具体的な仕組みが実施指針へ反映されなかったことは残念である。今後は、COP24決定に従って削減目標の進捗確認と検証が実施される各国での産業・雇用への影響評価と、それらにもとづく雇用政策や社会政策の確実な実施が「公正な移行」実現の鍵となる。パリ協定のモメンタムを維持し、その実効性を高めていくためにも、連合は、各国政府に対し、労働組合を含む多様な利害関係者との社会対話をベースとした政策運営を強く求めたい。
     

  4. 連合は引き続き「公正な移行」の具現化に邁進
     連合はITUCの一員としてCOP24に参加する中、日本政府に「公正な移行」実現のための具体的な仕組みをパリ協定の実施指針に反映するための協力を求めるとともに、COP会場でサイドイベントを主催し、地域レベルでの気候変動対策と経済・雇用対策の好循環の必要性とそのための社会対話の重要性を発信してきた。
     連合は、連合エコライフ21への取り組みを継続強化し、自らが温室効果ガスの排出削減に取り組むとともに、引き続きITUCをはじめとする国際労働運動との連携や使用者団体、NGOを含む利害関係者との社会対話を推進し、「公正な移行」の具現化に邁進していく。
    以 上