事務局長談話

 
2018年11月02日
入管難民法改正法案(新たな在留資格の創設)の閣議決定に対する談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

  1. 社会的影響の大きな課題であり国民的議論が必要
     11月2日、政府は「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、国会に提出した。2月の総理発言を契機として、短期間に非公開で取りまとめられた法案は、「専門的・技術的分野」に限って外国人材を受入れるとしてきた政府方針を大きく転換するものである。新たに創設される在留資格「特定技能」は、人材不足とされる分野において外国人材を受入れる制度だが、社会的影響の大きな課題であり、十分な時間をかけて包括的な議論を行う必要がある。

  2. 「基本方針」「分野別運用方針」の検討プロセスは公開すべき
     法案は、在留資格「特定技能」制度の根幹である、人手不足の判断基準、技能レベル、受入れ分野等について、「基本方針」および「分野別運用方針」において決定すると定めている。これらの方針は、法案成立後に閣議決定または関係行政機関の長による協議によって決定されるとするが、国内雇用への大きな影響を考えれば、関係者のみの閉ざされた場で協議することは極めて問題がある。女性や高齢者も能力を発揮できる就業環境の整備、非正規雇用労働者の処遇改善が十分になされた上での検討であるのか、検討のプロセスを明らかにすべきである。

  3. すべての外国人労働者の権利と人権の保障が重要
     長く労働関係法令違反、人権軽視の問題が指摘されてきた外国人技能実習制度においては、昨年11月に適正化のための「技能実習法」が施行された。しかし、依然として、最賃未満の賃金しか支払われない、労災に遭ったが労災申請できない、違法な長時間労働を強制される等の問題が後を絶たない。日本人と同様に労働関係法令が適用されるとはいえ、多くの外国人労働者は、日本語能力の問題から権利を行使することが難しい。まずは、こうした日本で働くすべての外国人労働者の権利、人権を保障することが先決である。

  4. 国会において徹底した議論が求められる
     連合は、今後の国会審議において、外国人労働者保護のため、日本人との同等報酬、ブローカーの排除、罰則の強化といった実効性ある施策の導入を求めていく。同時に、生活者としての外国人労働者について、日本語教育や公共サービス、多文化理解等の共生施策についても、社会的コスト負担の問題も含め、徹底した議論が行われることを求める。外国人を含む日本で働くすべての労働者保護の後退や労働条件の低下を招くことのないよう、構成組織、地方連合会と一丸となり、連合フォーラム議員と連携した取り組みを強力に展開していく。
    以 上