事務局長談話

 
2018年08月24日
国・地方公共団体における障がい者雇用数の水増し問題についての談話
日本労働組合総連合会

事務局長 相原 康伸

 

  1. 障がい者雇用促進の取り組みに水を差すもので、極めて遺憾である
     今般、国および地方公共団体において、本来は対象とならない職員を障がい者雇用として算入するなど、不適切な障がい者雇用の報告が行われていたことが、相次いで報道されている。現時点で、厚生労働省による中央省庁への実態調査が行われているが、多くの国・地方公共団体において、対象となるか否かを確認することなく障がい者雇用の報告が行われていたとすれば、障がい者雇用促進への無自覚を疑わざるを得ず、雇用促進の取り組み全体に水を差すものと考える。国・地方公共団体の障がい者雇用政策への姿勢や、関連する統計への信頼を大きく損なうものであり、極めて遺憾である。
     

  2. 地方公共団体を含めて実態を把握し、原因と背景を明らかにすべき
     障害者雇用促進法で定められた雇用しなければならない障がい者の割合(法定雇用率)は、2018年4月から民間企業2.2%、教育委員会2.4%、国・地方公共団体2.5%とされている。国・地方公共団体は率先して障がい者雇用を進めるべきであることから、民間よりも高い法定雇用率が定められている。そうした立場を踏まえても、国・地方公共団体で、仮に、障がい者雇用数の「水増し」などが行われ、法定雇用率を達成したものとされていたのであれば、制度への理解不足という理由は通らない。国は、中央省庁だけでなく、地方公共団体についても実態を把握し、問題が生じた原因と背景を明らかにすべきである。
     

  3. 再発防止に向けて、抜本的な対策が必要
     今回の問題の発生により、公的機関の障がい者の雇用状況を十分チェックする仕組みがないこと、公的機関で障がい者が働くための環境整備が不十分であることが明るみに出た。権限を持って省庁や地方公共団体のチェックや指導を行える機関の設置や、障がい者が働くことができる環境整備が求められる。また、障がい者が職員として安定的に働くことができる採用の枠組みや、合理的配慮の実施に必要な予算措置なども必要である。法改正も含めて、再発防止に向けた抜本的な対策が求められる。
     

  4. 障がいの有無に関わらず、安心して働くことができる社会の実現を
     国は、今後の障がい者雇用政策を行うにあたり、まずは法定雇用率の達成と、失われた信頼の回復に努めなければならない。この問題の解決に向けて、いつまでにどのような対策を行うのか、責任を持って道筋を示すべきである。すべての働く者が、障がいの有無に関わらず、いきいきと働くことのできる社会の実現に向けて、連合は必要な対策の実施を求めていく。
    以 上