りきおのオピニオンスタジアム

 
2015年5月7日
第52回「暑さ」をはねのけて「熱く」なれるか?

~こんな誤訳が一斉に?!~

 東京MXテレビの土曜の夕方に、「淳と隆の週刊リテラシー」という番組があります。報道の現実に迫る視点が興味深く、毎週好んでみています。東京ローカルの放送局ですが、この番組はネットで検索すると無料動画で見られるようです。
 先週は先の安倍首相の訪米時・共同記者会見でのオバマ発言の誤訳問題が取り上げられていました。問題の部分、本来の訳は「私は、海兵隊の沖縄からグアムへの移転を推進するという約束を再確認しました」となるべきところ、「沖縄の普天間基地の移転についてより柔軟に対応したいと思います」と訳され、それがしかもほとんどの新聞・テレビが全く同じ誤訳をして、その後、みんな一斉に訂正をしたというものです。各報道機関はいったい誰からこの和訳をもらったのでしょうか?言い換えるならば、この記者会見を、どの社も自分の目と力で取材・報道していないということではないでしょうか。
 記者クラブ制の実情の一例として取り上げられていたわけですが、よりによって、私たち日本国民が最も注視すべき、沖縄の米軍基地問題に関わる箇所においてこんな奇妙なことが現実におきたことに驚きを禁じ得ません。なんでこんなことが起きたのかはしっかりと追及されるべきと思いますが、それも記者クラブ制では難しいことなのかな、とも思ってしまいます。
 医療の世界ではセカンドオピニオンの重要性が常識になっていますが、報道の世界でも注意が必要なようです。事実を淡々と伝えているようにみえても各紙金太郎飴的な報道ぶりに対しては、霞が関の「某省記者クラブ」?で流されている情報か?と疑うべきでしょう。そしてセカンドオピニオンを探しながら、自らのリテラシー(≒理解力・分析力)を高めていきましょう。

~あつさの正念場がやってくる!~

 先週の「週刊リテラシー」のなかでもう一つ印象に残ったのは、「時の政権がメディアに圧力をかけるのはどこの国でもよくあること。問題はそれにどう立ち向かうのかということだ」という上杉隆さんのコメントです。
 いわゆる「世論」と言われるものの正体はなんでしょうか?私たちが知りうる「世論」は、メディアの報道によるものが大半です。
 今月中旬から国会審議がスタートする労働者派遣法改悪法案をはじめ、労働者保護ルール改悪の動きを私たちが阻止できるか否かは、働く者一人ひとりにとってはもちろん、今後のわが国の経済・社会にとっても極めて大きな意味を持つものとなります。報道ぶりも様々でしょう。私たち自身が声をあげていくことと、いわゆる「世論」とが、どう響きあうものとなるのか。私たち自身の主体的なリテラシーと行動力も問われるところです。

 それだけではありません。17日の大阪市の住民投票についても、一連の安全保障法制の国会審議に関しても、正確な情報を読み取った上で、お上の圧力に屈することのない「世論」の気骨が不可欠です。
 これから世の中は日増しに「暑さ」が増していきます。これをはねのけて、私たち自身の、内なる「熱さ」で難局を乗り越えていきましょう。

(神津)

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