りきおのオピニオンスタジアム

 
2015年3月9日
第48回「透明性と説明責任」はお互いの顔が見えてこそ

~ありがたいお付き合い~

 連合本部に着任してから一年半近く、数多くの記者さんや、ジャーナリストの方々とお付き合いをしてきました。特に連合を担当されている記者の皆さん方には、日々、熱意を持って取材をしていただいています。
 当然のことながら記者の方々のタイプは様々、多士済々です。雇用・労働の現場に造詣が深く、連合に対して、もっと頑張れ、切込みが足りないぞ、と叱咤激励もいただく方。地道にコツコツと取材を積み上げ、当方の主張も取り上げる一方で、痛いところもしっかりとついてくる方。あるいは、なんとか筋書きにあわせようと、あの手この手でひっかけ質問を工夫してくる方…。
 まさに丁々発止なわけですが、しかし、お互いの顔が見えるからこそのお付き合いです。こちらも遠慮なく言わせてもらいますが、率直なやりとりのなかから貴重な気付きをいただくこともよくあります。大変ありがたいことです。

~一方での「流れ弾」の怖さ~

 一方この世界では、顔の見えないところからの流れ弾も時折飛んできます。
 先日もある月刊情報誌(ここではS誌としておきます)に、流れ弾的記事が掲載されました。
 このS誌は書店販売を行わない、自宅直送方式をとっている雑誌で、私も30年前から長い間購読していた経験を持っています。私は特に外交・安全保障に関わる情報に秀でているものがあると感じ、他のメディアではなかなか取り上げられないような切り口に感心していたものです。
 しかしもう10年ほど前のことになるでしょうか、珍しく労働界のことが取り上げられていたのですが、唖然とするような粗雑な内容で、私が関わりを持っている方々や分野のことが、あり得ない形で表現されていました。たまたま当時の私が、そのことに確信を持ち得る立場であったこともあり、それ以来S誌の購読をとりやめることとしました。S誌は裏情報的な内容が満載で、それらの内容は貴重なものと思っていたのですが、どれが本物でどれが偽物やら、あまりそんなことに惑わされても詮無いことと思ったわけです。
 しかし大半の読者はその記事を本物の裏情報と思って読まれていたことでしょう。怖ろしいことです。

~お互いの顔が見えてこそ~

 まさか今回の執筆者はそのときと同一の方ではないとは思いますが、何せ顔の見えない方からの流れ弾です。
 「政権の飼い犬」であるとか、「正社員を食い物にする」だとか「労働貴族」、「魂を売り渡した」、「終焉を迎えた」等々、あらん限りの連合批判の言辞オンパレードなのですが、しかしどうせ書くならもう少し本質のところで、こちらが痛いと思うような書き方をしてもらいたかったと思います。
 なお、日本労働弁護団などが主催の集会に関するくだりでは、主催者の出席要請に対し、連合から返事すらなかったことを主催団体幹部が「暴露した」などと書かれているのですが、私が確認したところでは全くの事実無根であり、正式な出席要請は来ていませんが集会には参加していたとのことです。もしこれを読まれた方がおられたらその点は誤解なきようにお願いします。 先方の名誉の問題にも関わりますから、この一件に関しては明確に申し述べておきたいと思います。

 時代は、「透明性と説明責任」を当たり前とする世の中を求めているのではないでしょうか。わが国が抱えている様々な課題の解決は、そのことを抜きには考えられないのではないでしょうか。そしてそれは、お互いの顔が見えてこそであると思います。

(神津)

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