りきおのオピニオンスタジアム

 
2015年2月16日
第46回労使の切磋琢磨を世の中全体に

~賃上げ力の源泉は労使交渉から生まれる~

 2月も半ばとなりました。今週あたりから続々と各労組の要求提出が始まります。昨年以上に前宣伝のきいている春季生活闘争ですが、肝心なことはそれぞれの労使でどれだけしっかりとした交渉が展開されるかであることは言うまでもありません。デフレを脱却し、実体経済を浮揚させるためには、底上げ・底支えが不可欠であり、それを可能ならしめる「賃上げ力」は、一つひとつの労使交渉、その切磋琢磨が世の中全体のバネ力の源泉となりうるか否かにかかっているのです。
 そしてその賃上げ力をしっかりと世の中全体の動きにつなげていくためには、取引慣行の是正を含めて、中小企業で働く者の努力や、その生み出した付加価値が適切に反映される姿が不可欠です。また、業種業態や地域ごとの賃金水準の状況を含めて、様々な情報の共有も極めて有効だということを申し述べておきたいと思います。

~「ものがたり」をどう伝え、どう波及させるか~

 そういう意味では、メディアの報道の如何が、いつにも増して重要なカギを握っているということを強く感じます。今年の春季生活闘争は、3月中旬以降の展開をどうにらんでいくのかが決定的に重要です。単に大手の賃上げ水準の問題だけにとどまらず、取引関係や業種業態の状況、地域経済の問題等々、一つひとつの「ものがたり」がどのように実体経済浮揚の力と結びついていくのか、是非着目してもらいたいと思います。
 メディアは、良くも悪しくも、「ものがたり」を伝えるものです。新聞の部数低下が伝えられていますが、私は、断片的なニュースでは本当に大事なことは伝わらないのであって、新聞こそ、奥行きのある「ものがたり」を伝えられる媒体だと信じています。

~労使関係のあるべき姿を追求する~

 一方では、先週10日に行った連合から維新の党に対する政策要請について、その報道ぶりに関しては、つくられた「ストーリー」がかなり混じっていたように思われます。
 そもそもこの政策要請は連合として各党に対して定例的に行っているものの一つであり、新たな意図を持って始めたようなものでは全くありません。それはわかっておられるはずですが、ことさらに「初の政策協議」という見出しをつくられるのは、そこにストーリー性を持たせたいということなのでしょう。しかし、維新の党はごく最近になって今の形になったのですから、「初」は当たり前のことです。(前身の各党にはそれぞれ要請をしていました。)また一部には、古賀会長と江田代表がいなかったのは維新・連合が急接近との誤解を避けたため、などという報道もありましたが、そもそも一連の要請行動は私(事務局長)から各幹事長にさせていただいています。

 ところで、維新の党との関係に関わる報道では、常に官公労働者にまつわる問題がことさらにとりあげられます。
 私は公務の現場で働く組合員に関わる諸問題の根っこにあるのは、わが国の官公労働者は諸外国では当たり前の労働基本権が奪われたままである、ということだと思っています。普通の労使関係であれば、労使が正面から向き合って団体交渉で話し合い、そこで決めた事柄を労働協約としていく、そういう仕組みを持ち得ない立場に立たされ続けているのです。
 連合はこの24日に、「質の高い公共サービスと労働組合の役割」と銘打った国際シンポジウムを品川で開催します。(本ホームページのリンク参照
 是非こういったことにも注目してもらいたいと思います。

(神津)

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