りきおのオピニオンスタジアム

 
2014年7月14日
第25回「多様な意見をまとめていく・・・民主主義の前進とは?(その1)」

~実に30回にわたった部会議論~

 先週の水曜日7月9日、実に約3年間・30回を重ねて議論をつづけてきた「法制審議会・新時代の刑事司法制度特別部会」が一定の結論に達し、幕を閉じることとなりました。私も26名の委員の一員として、2011年の6月29日の第一回から、慣れない分野の事柄に悪戦苦闘を繰り返しながら、なんとか取りまとめまで関わりおおせることができました。(それもこれも有識者5人の団結があったからこそでした。)
 報道でも大きく扱われましたし、連合としての談話も出しましたので、既に、取り調べの録音・録画制度をはじめとした具体的な内容についてはご存知かと思います。殺人等の重罪事件での冤罪をなくしていくために、大きな第一歩を踏み出し得たと考えます。(ホームページ所載の7月10日付談話ご参照
 メディアによって取り上げ方は様々です。村木さんをはじめとした5人の思いに対する言及も様々で、なかには「苦い思いを残した」などの表現もありました。「苦い思い」がゼロとは言いませんが、むしろ、やるだけのことをやり、こだわるべき内容をぎりぎりのところで形に残せたという達成感を共有し得たのは、特筆すべきことだったと思っています。同日付の「見解」の一字一句こそが正確な5人の思いです。是非お読み取りください。

~国民目線にとことんこだわった~

 文字通りズブの素人である私が一貫してこだわったのは、「国民目線」でした。(それしかとりえがなかったことも事実ですが・・)
 さすがに第一線の法曹関係者が展開する議論ですから毎回ついていくのが必死という状況でしたが、わかりにくい議論のままわかりにくい結論だけにされてしまったのでは私が参加させてもらった意味がない。たとえ法理論的には限界があったとしても、「できないできないではいつまでたっても話は進まない」などと素人流の発言を意識的にさせてもらいました。
 そして今回の結論はあくまで「第一歩」であり、肝腎なのはここからです。今後の立法過程や運用状況等、私たち国民自身が、主体的な参画意識を持ってその動向を見極めていかねばなりません。

~多様な意見をまとめる努力こそ民主主義の神髄~

 「見解」でも述べたように、多くの課題が残っていることも事実です。(例えば痴漢の警察取調べは録音・録画の対象外です。冤罪が心配な人は自主的にICレコーダーを携行しておいた方がいいでしょう・・・)
 しかし私は、当事者たる検察・警察を含めて、それぞれの立場の法曹関係者、そして全ての委員の方々が、持論のみに固執することなく、最後の最後まで妥協点を見出す努力を重ねたことで、今回の歴史的な第一歩が実現し得たと考えています。
 途中の議論では堂々巡りの感もあり、私自身苦痛に感じたり、途方に暮れるような思いもありましたが、今はホッとしているのが正直なところです。

 このように、テーマが重要であればあるほど、多くの多様な意見の持ち主がとことん議論を重ねることが不可欠であり、そして全体でぎりぎりの妥協点を確認しあうことなしには、合意は「本物」にならないのだと思います。
 一方で、政権で進められている様々な施策が、限られたメンバーで短兵急に決定されている状況は、大変に危険だと思います。
 その思いをさらに強めた今回の経験となりました。

(神津)

りきおのオピニオンスタジアム
2015年 一覧
2014年 一覧
2013年 一覧