りきおのオピニオンスタジアム

 
2014年7月7日
第24回「身を切る改革はどこへ行った?」

~これが「政権交代」なのか・・・~

 前にも述べたかと思いますが、現在の安倍政権の手法は、一部の限られた人たちの意見で大きな方針が決められる傾向が顕著です。私たちが大いに懸念を強めてきている労働者保護ルールの改悪もそうですし、先週閣議決定された集団的自衛権の解釈変更もそうです。臨機応変な対応が求められるような類の行政対応ならばいざ知らず、基本的人権や国のあり方の根幹に関わるような問題が、このような進め方で決められてしまうことに強い違和感と危機感を感じる方は多いと思います。

 一方では『それが「政権交代」なんだよ』という声も聞こえてきそうです。しかし私たちは全てにおいて白紙委任状を渡したつもりはありません。本来のあり方として、労働者保護ルールであれば公労使三者構成の労働政策審議会でまず議論がされるべきですし、憲法の理念とそれを支える法のあり方に関わる問題については、国民の代表である国会議員による検討がなされるべきでしょう。そのような、既にある基本的な枠組みを後回しにして、しゃにむに既成事実をつくろうとする目的は一体何なのか?
 いぶかしさと不安を感じる国民は少なくありません。

~反対意見の受け皿は?~

 別の方角からの声もありそうです。『どうこう言ってもしょせん巨大与党の政権だ。それを選んだのは他ならぬ国民自身だ』
 確かにそうです。一定のルールに基づいた選挙により直接選ばれたのが衆参722名の国会議員であり、そしてその国会議員が選んだ首班が安倍総理大臣であることは事実です。
 しかし釈然としない人も多いと思います。巨大与党の実現とそのもとでの一方的な政権運営で、本当に民意がしっかりと反映されているのであろうかと。
 政権交代のたびに振り子の振れ幅が大きくなっているために、健全な形での対立議論が困難になっています。政権の考え方に反対する意見の受け皿となるべき野党が大変頼りない状況になっています。これは誠に恐ろしいことだと思います。

 もちろん私たち連合は、このような逆風のなかにあっても、あらゆる場を通じて自らの主張をアピールしていかなければなりませんが、一方では、今の選挙制度が持っている構造的問題についても具体的な対策を講じていかなければならないと思います。

~こだわりのかけらでもいいから約束実行にまわしてほしい~

 さらに言えば現在のルール自体がどうなのか、という問題もあるわけです。大きな問題の陰で忘れられがちですが、違憲判決が出て久しい国会議員定数の問題はいったいどうなったのでしょうか?
 そしてそもそも一昨年の解散は、直前の国会の党首討論で、当時の野田総理の、定数削減、身を切る改革の提案に対して安倍総裁が実行を約束したことに端を発していたはずです。それまで随分と相手を嘘つき呼ばわりしていた安倍さん、その後一年七か月がたち、国会も既に三回も過ぎていってしまいましたが、いったいどうしたのでしょう。

 国民が身を切る思いで日々の生活をやりくりしているのに対して、自らの身を切る改革は忘れてしまったのでしょうか?その一方で労働者保護ルールを岩盤規制と称し、ドリルを手にしているというではありませんか!?
 しゃにむに突っ込むこだわりの、ほんのかけらでもいいから、身を切る改革の約束実行にまわしてほしいものです。

(神津)

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