りきおのオピニオンスタジアム

 
2014年2月10日
第8回「月例賃金にこだわる・底上げにこだわる」

~労使自治が大事なのは当たり前 社会政策が大事なことも当たり前~

 春闘がスタートしました。

 連合は6日の集会で闘争開始を宣言し、以降、交渉単位の各組織による要求提出が進んでいます。今年は様々な形での「前宣伝」が効いていたため、あれ今からが春闘だったの?という方もおられるかもしれませんが、肝心なのはこれからです。

 しっかりとした交渉により、納得のいく回答を得ていくことがなによりも重要です。

 私たちはあくまでも労使自治の大事さを訴えてきました。一方では連合に対して、総理の賃上げ要請発言を、「経済社会政策の観点で前向きに受け取るべきだ」、「文句を言わずにありがたく受けとめればいい」とおっしゃる方々もおられます。

 もちろん私たちは社会政策の意義を否定するつもりは毛頭ありません。私たちこそ、これまで再三にわたり政労使での議論の重要性を説き続けてきたのであり、昨年12月の政労使会議の取りまとめを評価している点は、すでに連合白書で述べている通りです。(とりわけ中小企業の格差是正や非正規労働者の底上げに言及している点は重要です)

 しかしあくまでもわが国が、国民が主役の民主主義体制の国家である以上、総理が右と言えば右、左と言えば左という物事の決め方がもてはやされるのはいかがなものかと思います。

 まして特定秘密保護法案の成立に至る過程や、自民党の憲法改正試案にみるような危うさを踏まえるならば、これらの、一つの風潮としての流れに対しては余程目を凝らして、本質をチェックしていくという姿勢こそ不可欠なのではないでしょうか。

~一時金では好循環にならない~

 政府要請に対する経営側の皆さん方の、一見前向きに聞こえる発言に対しても、相当に目を凝らしてチェックしていくことが必要です。ほとんどの方々の発言は、「収益の向上に対し報酬で答える」との内容です。月例賃金に関わる明確なコメントは極めて少ないのが実態です。

 さもありなん、今回の経団連の経営労働委員会報告によれば、一時金を引き上げた場合であってもそれは「賃上げ」と認めるんだ、ということになっています。私たちは極めて疑問に感じます。いつからそんな言い方になったのでしょうか?

 収益が向上したところが一時金を引き上げるということは、ある意味で当たり前のことであり、その一方では逆の現象として低下を余儀なくされるところについてはどうとらえればいいのでしょうか。賃下げもいいよという意味なのでしょうか?(経団連が減益の企業に対して、一時金の引き下げはまかりならんと指導してくれるのであれば話は別ですが)

 結果として一時金の対応だけで今春闘の幕を引こうとするならば、いったいこれまでと何が違うのか?と言わざるを得ません。そんなことでは「経済の好循環」などは絵に描いた餅にしかなりません。それどころか、「経済の腰折れ」を招き、前よりもひどい「経済の悪循環」に陥ってしまうのではないでしょうか。

 私たち連合は、あくまでも「月例賃金」の引き上げにこだわります。そしてすべての働く者の「底上げ」にこだわります。

(神津)

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