会長挨拶

 
2026年1月5日
2026年連合新年交歓会 会長挨拶

日本労働組合総連合会
会長 芳野 友子

 皆さま、新年あけましておめでとうございます。

 本日は、木原官房長官、各党代表者の皆さま、経団連・長澤副会長をはじめ多くの皆さまにご臨席を賜りました。誠にありがとうございます。

 さて、早いもので21世紀も四半世紀が過ぎ、次の25年がスタートします。四半世紀ごとの括りに意味があるかのか、“Google Gemini”に尋ねてみると、「世代的な区切りや社会変化の単位として適切であり、また表現に深みを持たせるための言葉として便利だから」と回答がありました。また、“chatGPT”いわゆる“チャッピー”は、「人間社会の変化のリズムとちょうど合致し、歴史的・文化的・技術的変化を捉えるのに適切な長さだから」という回答でした。

 概ね、どちらも似たような回答で、社会の変化をとらえる区切りという視点は、私たちの感覚とも合致している回答のように感じます。
 21世紀が始まった2001年は、アメリカでの同時多発テロが起き、世界が混乱に陥った年として多くの方々の記憶に刻まれているものと思います。国内では、小泉内閣の誕生、USJや東京ディズニーシーの開業、あるいは忘れがたい事件や事故もありました。

 そのような中で、その年の新語・流行語大賞にノミネートされた中に「ブロードバンド」という言葉がありました。ブロードバンド元年とも呼ばれ、今のように、光ファイバーが全国に張り巡らされ、超高速での通信が可能となるきっかけとなった年です。この25年間で情報通信分野は指数関数的に成長し、冒頭でご紹介したように、生成AIという技術も普及し、私たち労働者もその影響を大きく受けるようになりました。

 この四半世紀のちょうど中間あたりの2013年には、オックスフォード大学のオズボーン教授らにより、「近い将来、半分くらいの仕事がAIをベースにした機械にとって代わられる」などという、いわゆる「オズボーン推計」が発表され、大きな衝撃が走ったこともありました。取って変られるというところまで深刻な状況に陥っているとは評価できませんが、確実に、AIは仕事や生活に浸透してきており、積極的に従業員にトレーニングを行い、業務での活用を推奨している企業もあります。また、学生や若者も、自らの行動や意思決定の判断材料にするだけでなく、普段のコミュニケーション相手として活用していると聞きます。
 たった25年の間に、これほどの進歩によって社会が変化している様子は、20世紀最後の25年間と比較しても、変化のスピードが大きいように感じます。

 翻って、私たち連合にとってのこの四半世紀を振り返りますと、バブル崩壊によって傷んだ経済社会の中、長期に続く不況のあおりを受けて、産業構造の変化や企業再編、失業の増加や格差拡大、いわゆる非正規雇用の増加などありとあらゆる課題が噴出しながら21世紀がスタートしました。

 そのような状況を踏まえ、連合は2001年に『連合21世紀宣言』を発し、「労働を中心とする福祉型社会」を構築することをめざすと宣言しました。以降、2010年には、「働くことを軸とする安心社会」という社会像へのアップデートが行われ、2019年の連合結成30周年の節目には、これまで大切にしてきた価値観や積み上げてきた運動や政策を継承・発展させ、大きな時代の変化に対しても果敢に挑戦していくこと、あるいは、働く仲間一人ひとりの参加のもと、社会に広がりのある運動をつくりあげていくこと、そして、積極的な社会対話を通じ、様々な課題の解決を着実にはかっていくという決意を込めて、「連合ビジョン 働くことを軸とする安心社会-まもる・つなぐ・創り出す-」という現在の形に再構築を果たしました。

 さて、これから始まる新しい四半世紀をどのような世界にしていくのかは、私たち自身の思いや、行動に委ねられています。冒頭で尋ねたチャッピーに、「AIは未来を予測できますか?」と改めて尋ねてみました。

 「AIは『未来を完全に予測することはできない』が、『確率的にありそうな未来を推測すること』はできる」と返答がありました。また、「AIは『未来を決める』ことはできないが、『未来の可能性を広げる』ことはできる」とも言い換えてくれました。

 労働の世界では、「これからは、AIにできないことが人間には求められる」と言われ続けています。今のところ、生成AIも「未来を決めるのはあなたたちだ」と明言しています。私たちこそが「未来を決める」主人公であることを改めて自覚し、その責任と役割をしっかりと果たし、新たな時代を切り拓いて参りたい、そんな思いを皆様と共有して新年のご挨拶とさせていただきたいと存じます。

 本年も連合に対する一層のご支援をお願いし、皆さまのますますのご健勝とご活躍を祈念いたします。本日は誠にありがとうございます。ともに頑張りましょう!

以上