日本労働組合総連合会
会長 芳野 友子
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
日頃より連合運動へのご理解とご支援をいただき心より御礼申し上げます。
新年を迎え、21世紀も4分の1が過ぎ、新たな4半世紀がスタートします。
21世紀はグローバル化の時代と期待され、情報通信技術の高度な発展とともに様々な分野でリアルにグローバル化が進展しました。特に経済は、24時間365日、途絶えることなく国境を超えた活発な活動が行われるようになりました。そして、AI、IoT、ロボット技術など進化を続ける最先端の科学技術を基盤とした第4次産業革命が、それに拍車を掛けています。世の中の動きは常にデータとして捕捉され、ビッグデータと称されたそれは、これまで人間による計算では見出すことのできなかった新たな価値を発掘することに繋がり、人々の生活をより豊かにしながら、効率性を極限まで追求するような社会のあり様や個人の行動様式をも生み出しつつあります。身近なところでは、「コスパ」(コストパフォーマンス;費用対効果)といった従来からの表現に加え、数年前には「タイパ」(タイムパフォーマンス;時間対効果)という新語が生まれるなどしています。
しかし、このような時流に上手に乗った者には富が集中し、その結果、経済的格差の拡大が発生しています。富める者と富まざる者との両極化と中間層の縮減、さらには貧困層の拡大は世界的に大きな問題となっており、負のグローバル化も進展しました。
また、これまでの経済活動などによって生じた環境問題も、世界各地で深刻な状況が継続しており、とりわけ、気候変動問題は人々の生命を脅かしています。20世紀最初の年に『二十世紀の予言』という新聞記事に23項目の未来予測が掲載されました。22項目はほとんど実現されましたが、「台風を防ぐ」という項目だけ未だに実現されていません。そればかりか、気候変動の影響を受け、年々、台風の勢力は巨大化しており、それによる被害は甚大です。
そして、グローバル化は、人々の思想信条にも影響を与え、ポジティブには多様化と言えますが、白か黒かで答えを導こうとするような二極化あるいは分極化といった面も見受けられるような時代になりました。
さて、次の4半世紀でどのような世界をつくっていくのか。
その手綱はもちろん私たち一人ひとりの手にあります。連合は、「働くことを軸とする安心社会-まもる・つなぐ・創り出す-」というビジョンにおいて、「持続可能性」と「包摂」を基底に置き、多様性を受け入れ、互いに認め合い、誰一人取り残されることのない社会をめざしています。
グローバル化によって、不確実性が高まっている今こそ、私たちはこのビジョンを改めて見つめ直し、真にジブンゴトとして、その実現に心血を注いでいかなければなりません。そして、私たちが自らこの世界をより良いものにしていくとの決意を新たにして、その一歩を踏み出しましょう。
本年が皆さまにとってチャレンジングで、実り多い一年となりますことを祈念いたします。
以上