会長挨拶

 
2023年1月1日
新年のご挨拶

日本労働組合総連合会
会長 芳野 友子

 皆さま、明けましておめでとうございます。
 日頃からの連合運動へのご理解とご支援に心より御礼申し上げます。
 コロナ禍の下で3度目の新年を迎えました。コロナウイルスとの闘いは、未だその克服を見るに至っていませんが、医療をはじめ、人々の生活を支える様々な分野で多くの皆さんが懸命に努力を重ねていただいていることに、改めて敬意を表したいと思います。連合としても、引き続き感染防止に努めながら、この間の経験と知見を踏まえた新しい運動様式に挑戦して参ります。

 昨年来、「コロナ禍、物価高、円安」の「三重苦」が私たちの日々の生活を苦しめ続けています。これらは特に弱い立場・不安定な立場にある方々の雇用と生活に深刻な打撃を与えており、連合にはくらしの窮状を訴える相談も寄せられています。すべての働く方々はもちろん、困難な状況にある方々の「必ずそばにいる存在」となり、誰一人取り残されることのない包摂に満ちた社会を実現できるよう、私自身決意を新たにしたところです。

 そのような中、2023春季生活闘争の基本方針では、28年ぶりに賃金要求指標を5%といたしました。この方針は、2014闘争から積み上げてきた「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組みの上に、現下の情勢を総合的に勘案し組み立てたものです。あわせて、昨年末から「賃上げ実現・くらし支援 あしたを変える連合緊急アクション」をスタートさせ、社会全体での賃上げに向けた機運づくり、すべての働く人の雇用と生活をまもる政策の実現、地域での支え合い・助け合いの活動にも取り組んでいます。

 一方、今期掲げた取り組み課題の一つとして、「ジェンダー平等・多様性推進のより一層の進展」があります。世界経済フォーラムが2022年7月に発表した各国のジェンダーギャップ指数では、日本は146ヵ国中116位という結果でした。多様性を重んじる労働運動だからこそ、あらゆる分野に先行してジェンダー平等が実現されなければならないと考えています。そのためには、身近なことから少しずつ変えていく取り組みが必要です。昨年開催されたITUC(国際労働組合総連合)世界大会では、新会長に連合参与の郷野晶子さんが就任されました。世界と日本の労働運動において女性がトップを務めることとなり、改めて身の引き締まる思いです。連合としても精一杯、郷野新会長を支えるとともに、私たち自身がけん引役となって、より良い社会の実現に向けて努力して参ります。

 さて、12年前の東日本大震災から干支が一回りしました。大災害や疫病によって社会や人々の価値観が変わってきたようにも感じています。私たち連合は、「たとえ今後どのような社会の変化が起ころうとも、未来に向かって挑戦し、希望あふれる未来へと変えていくことができるのは、私たち自身である」と記した「連合結成30周年の決意」を胸に、引き続き「働くことを軸とする安心社会」の実現に邁進して参ります。まもなく迎える統一地方選挙においても、働く者・生活者の立場にたった政策の実現をめざし、積極的に取り組んで参ります。

 結びに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますことを祈念いたしますとともに、卯年にあやかり、連合運動がより一層、跳躍することができますよう皆さまのご支援をお願いし、新年のご挨拶とさせていただきます。

以上