①被災地経済の早期復興、地域の雇用創出の核となる事業への雇用支援措置の継続などを通じ、質・量ともに十分な雇用を確保する。
a)特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)の継続などにより、被災した離職者や被災地域に居住する求職者の就職を支援する。
b)事業復興型雇用確保事業については、被災地における雇用創出の状況などを踏まえ、必要に応じて事業期間を延長する。
c)被災者の自立支援に向け、住宅補助制度(住宅の現物給付または家賃補助)、就労支援のための融資制度などの拡充をはかる。
②雇用のミスマッチ解消に向けて職業訓練メニューや公共職業安定所(ハローワーク)の人材確保対策コーナーの拡充をはかるとともに、労働局や公共職業安定所(ハローワーク)が地方自治体と連携して就職支援体制を強化する。
③復興計画を着実に推進し、地元雇用を創出する。
a)復興計画の担い手となる労働者に対して職業訓練の必要がある場合は、国がその職業訓練を支援する。職業訓練の実施にあたっては、地域の実情やニーズに即した職業訓練となるよう、地域職業能力開発促進協議会を活用する。
b)公共事業を発注する際は、被災地域の労働者の雇用に配慮するとともに、公契約条例制定の考え方をふまえ、労働基準や労働安全衛生基準の遵守などを要件化する。
c)復旧・復興事業において必要とされる資格・技術(建設機械・大型自動車運転免許など)を習得するための公共職業訓練・求職者支援訓練の周知を徹底する。
d)労働者の安定的な就労への移行が円滑に進むよう、医療や介護など、地域の雇用創出の核となる事業に関連した訓練メニューを強化する。
e)復旧・復興事業に従事する要員が不足している地方自治体への人的支援を強化する。
f)低賃金による人手不足等を理由とする安易な外国人労働者の受入れは行わない。
④復旧・復興事業に際してのアスベスト・危険有害物質のばく露、過重労働などを防止するための、労働安全衛生教育および労働災害防止対策を徹底する。
a)労働基準、労働安全衛生基準が遵守されるよう、指導・監督を強化する。また、現行基準の緩和は行わない。
b)復旧・復興事業に従事する労働者の過重労働を防止するため、労働安全衛生法に定める産業医との面接指導の実施、労働時間の管理を徹底するなど、企業への指導・監督を強化する。
c)復旧・復興事業における高所からの墜落防止、重機災害の防止などの労働安全衛生管理や、未熟練労働者に対する労働安全衛生教育を徹底する。
⑤福島第一原子力発電所の廃炉作業に従事するすべての労働者について、離職後も含めた被ばく線量の管理徹底、過重労働防止のための十分な交替要員の確保、熱中症対策や墜落制止用器具の適切な使用による転落防止など、労働安全衛生・健康管理対策を強化する。
a)作業に従事する労働者の被ばく線量については、電離放射線障害防止規則(電離則)に則って管理を徹底するよう指導を強化する。特に、内部被ばく防止策を徹底するよう指導・監督する。
b)電離則に規定された特別教育を、作業に従事するすべての労働者に実施するよう指導・監督する。
c)放射線被ばくについては、離職後を含めた長期的な被ばく線量管理にもとづく長期的な健康管理が重要であるため、緊急作業従事者の被ばく線量、健康診断結果などの情報のデータベース化による健康管理に加え、緊急作業に従事しなかった労働者についても、一定量以上の放射線を被ばくした場合には長期的な健康管理の対象とする。
d)作業に従事するすべての労働者に対する、保護具の適切な装着、健康診断の受診を徹底するとともに、熱中症対策や作業環境の改善、メンタルヘルス対策にも万全を期すよう指導・監督する。また、国としても必要な援助を行う。
e)電離則に規定された被ばく線量の限度超過により、一定期間原発業務に従事できなくなる労働者に対する、解雇などの不利益な取り扱いがないよう、企業への指導を徹底し、当該企業による配置転換や職業訓練、転職支援などに対して、必要に応じて国としての助成を行う。
⑥18歳未満の者や外国人技能実習生の除染業務就労や、偽装請負や違法派遣などの労働法令違反がないよう、指導・監督を強化する。国が発注する除染などの業務において、下請を含めたすべての労働者に特殊勤務手当(除染手当)が確実に支払われる仕組みを早急に構築する。また、除染手当の中間搾取を行っている業者などに対する指導・監督を強化する。
⑦除染特別地域等およびその周辺で働く労働者に対する安全衛生対策を強化する。
a)一定の放射線量を超える環境下で働く労働者に対し、特別教育、保護具の適切な装着、被ばく線量の適切な管理、健康診断の受診など、除染電離則の遵守を徹底する。
b)上記以外の場合であっても、労働者の安全確保のため関連3ガイドライン(除染等業務ガイドライン、特定線量下業務ガイドライン、事故由来廃棄物等処分業務ガイドライン)の遵守を徹底する。
⑧原発事故収束および廃炉作業完了までには長期間を要し、多数の労働者が従事することから、放射線量の状況や健康への影響などに関する正確な情報を、政府として一元的に収集・把握し、速やかに開示する。
⑨原子力規制委員会「放射線審議会」に委員として労働災害の専門家を加えるとともに、その審議状況を定期的に労働政策審議会安全衛生分科会に報告する。