連合は5月28日、東京都内で第95回中央委員会を開催し、役員・中央委員・特別中央委員・傍聴者などあわせて約310名(うちWEB参加者約70名、女性参加者の割合は25.4%)が出席しました。
冒頭挨拶で芳野会長は、各種取り組みについて、4点につき所見を述べました。
<2025春季生活闘争について>
芳野会長は、基本方針に掲げた「5%以上の賃上げ」という目標を達成し、33年ぶりに「5%以上」を実現した昨年を上回る賃上げ率となっていることは、幅広い産業で積極的な賃上げ要求を掲げ、粘り強く交渉を積み重ねてきた結果であり、地方連合会において地方版政労使会議への対応や関係者と地域の実情を共有し賃上げの必要性を訴えた成果だと述べました。
ただし、実質賃金の状況を見ると生活向上を実感できるとは言い難いこと、企業規模間格差の拡大に歯止めがかかっておらず、適切な価格転嫁や適正取引の実現に至っていない現状にあること、そして現在も2025春季生活闘争は継続中であることから、引き続き組織全体として取り組みを進めようと強く訴えました。
<労働時間法制について>
「働き方改革関連法」施行後、労働政策審議会において見直し議論が行われていることに触れ、労使双方の真摯な取り組みにより、長時間労働是正など、課題の改善に一定の前進が見られる一方で、脳・心臓疾患などに関する労災請求件数は依然として高い状況にあり、必ずしも「働き方改革」が定着したとは言えないと指摘しました。
こうした状況を踏まえ、芳野会長は、時間外労働の上限規制をはじめとする労働者保護の視点にたった労働時間法制の見直しや、その基盤となる労働組合を中心とした集団的労使関係の構築・強化を強く求めていくことが重要であり、連合はその先頭になって取り組む決意を述べました。そして、その際には請負契約や業務委託契約とされている「曖昧な雇用」の保護ルールを強化する視点も忘れてはならないと付言しました。
<政治について>
芳野会長は、昨年の臨時国会以降、法案審議などでこれまでの政治のあり方が変わりつつあることの実感に触れつつも、参議院選挙を見据えた少数与党での国会運営では、残念ながら政治のダイナミズムが感じられず、「二大政党的体制」を掲げる連合の求める政治の実現には道半ばと言わざると得ないと苦言を呈しました。
より次元の高い政策実現に向け、立憲民主党・国民民主党・連合の三者で合意した「国の根幹に関わる基本政策に対して共有する考え方」の重みを改めて共有し、来たる参議院選挙の闘いにおける一つの拠り所として、連合一丸となって総力を挙げて取り組むよう呼びかけました。
<ジェンダー平等・多様性推進について>
芳野会長は、昨年10月にスタートした「ジェンダー平等推進計画」について、各組織においてトップリーダー自らが男女平等参画・ジェンダー平等推進についての力強いメッセージを発信し、組織の牽引をお願いしたいと述べました。
また、選択的夫婦別氏制度の導入に関して、この間の緊急要請や請願署名の取り組み状況に触れたうえで、選択的夫婦別氏制度の問題は個人の尊厳にかかわる問題であること、あくまでも「選択的」であり、夫婦や家族のあり方は、その夫婦や家族に委ねてほしい旨を訴え、最後までの積極的な取り組みを求めました。
【芳野会長挨拶(全文)はこちら】
活動報告では、「一般活動報告」「2025年度会計中間決算報告」「2025年度会計中間決算監査報告」が、それぞれ確認されました。
協議事項では、次の2つの議案が確認されました。
第1号議案:社会保障構想、教育制度構想、税制改革構想(改訂版)について(案)
第2号議案:2025春季生活闘争 中間まとめ(案)
中央委員会閉会後には「
第27回参議院選挙 連合総決起集会」を開催しました。
芳野会長による主催者挨拶ののち、連合推薦候補予定者の紹介が行われました。そのうち、12名の連合推薦候補予定者が自己紹介・アピールを行いました。
最後に、石上会長代行の音頭による「がんばろう三唱」で気勢を上げ、閉会しました。
以 上