日本の宝、秋吉台を守るため、伝統の「火道切り」を継承する。
日本最大級のカルスト台地として知られる秋吉台(山口県美祢市)は、東京ドーム1000個分の広さを持つ国定公園で、年間の観光客は国内外から約150万人が訪れます。秋吉台では、毎年2月に「山焼き(野焼き)」を実施。約3時間で枯れ草を焼き尽くします。これは、土壌を豊かにするとともに害虫を駆除し、草を刈って牧草にする、木々を取って生活に使うなど、100年前から続く「地域の営み」です。
また、毎年11月には、山焼きの準備作業となる「火道切り」を行っています。これは、山焼きで周囲の森林に火が燃え移るのを防ぐため、あらかじめ草を刈って、幅6~8メートル・長さ21キロに及ぶ防火帯をつくる作業で、地域住民によって担われています。
連合山口の秋吉台山焼き延焼止め草刈りボランティアがスタートしたのは、2004年。重労働と地域の高齢化・過疎化で人手の確保が困難となり、秋芳町(現・美祢市)の上利礼昭町長(当時)から応援を頼まれたのがきっかけでした。危機感を持った上利町長の訴えに「秋吉台は山口県の宝であり、多くの観光客が訪れていること、また、数百年も続く伝統ある山焼きを継承するためにも、この山焼き作業にボランティアとして参加する」ことを決めたのが始まりです。
以降、地域貢献活動として取り組み、現在では毎年500~600人の組合員・家族などがボランティアとして参加(しかも年々増えている)。幅6~8メートル・長さ3キロの草刈り作業を半日かけて行っています。
しかし、毎年の経費が多額であること、山での作業のため怪我のリスクが高いことなどから、ボランティアの中止も考えなくてはならなくなってきています。このままでは、山焼きにも支障が出て、日本の宝、秋吉台を守ることが難しくなってしまいます。今回、秋吉台の「火道切り」を続けていくため、クラウドファンディングの活用を考えるに至った次第です。
連合山口(日本労働組合総連合会山口県連合会)
山口県山口市緑町3-29 労福協会館3階