いま介護の現場では、施設の6割、訪問サービスの3/4で、人手不足を訴えています。
高齢化が急速に進行し、今後10年で65歳以上の高齢者は262万人増えると予想されていますが(グラフ❶参照)、そのときには現在の1.4倍に当たる253万人の介護職員が必要となると試算されています(グラフ❷参照)。このままでは、将来多くの方が介護の担い手不足により、介護を受けたくても受けられない状況になります。
介護施設の整備を加速化させ、さらに増やすとの方針が示されていますが、そこで働く人がいなければ、ただの建物にすぎません。介護労働者の処遇を改善して、介護をいまよりもさらに魅力のある、やりがいをもって働き続けられる仕事にしていかなければなりません。
「クラシノソコアゲ応援団」連合は、介護で働く全ての人たちの処遇改善に向けて、さまざまな取り組みを行っています。

高齢者(65歳以上)の人数は、これからの10年で262万人増える見込み。“介護”のニーズは今以上に高まっていきます。

介護従事者数の推移と推計

最近の国会でも議論になったように、保育所などへの入所希望がかなわない待機児童数は、2011年度から少しずつ減少していましたが、2015年度は保育所などの入所申込者数が定員の増加を上回った結果、総数が23,167人となり5年ぶりに増加しました。
保育の現場では都市部を中心に慢性的な人材不足が続き、保育士の有効求人倍率が2015年1月には2.18倍に達しています。
一方で、保育士の約半数の人が5年未満で仕事を辞めているなど、人材不足が明らかになっています(グラフ参照)。また、保育士への就業を希望しない最多の理由は、「賃金が希望と合わない」となっています。こうした課題を解消し、質の高い教育・保育を安定的に提供するためには、ぜひとも保育士の処遇改善が必要です。
国は、保育士の処遇改善を含む幼児教育や保育、子育て支援の質・量の充実をはかるためには、1兆円超程度の財源が必要ですが、その財源確保に最大限努力するとしていましたが、2016年度予算案では約0.6兆円にとどまっており、必要とされる1兆円超程度の財源確保の目途はたっていません。
「クラシノソコアゲ応援団」連合は、1兆円超の財源確保という政府方針の確実な実現を求めるとともに、保育士の処遇改善や長く働き続けられるためのキャリアアップの仕組みの構築に向けて、取り組んでいます。

大人になったらなにになりたいですか? 「保育士や幼稚園の先生になりたい!」 でも…就いてみたら給料が低くて続けられない。