4月17日 シンポジウム「労働時間規制を問い直す」を東京都内で開催し、各構成組織、地方連合会から約150名が参加した。
冒頭、古賀事務局長は、「長時間労働の是正は最大の課題であり、ワーク・ライフ・バランスのための具体的な政策提言が必要だ」とあいさつした。
続いて、大西康之・厚生労働省労働基準局監督課長から、「今後の労働時間制度に関する研究会」報告書の説明を受けた後、小山正樹・JAM副会長が、労働条件分科会の審議経過の報告を行った。
パネル討論では、川口美貴・関西大学法科大学院教授が、「労働時間について強行法規で規制するのは、労働者間の労働条件切り下げ競争を防ぐ意義もある」などと、「研究会報告」の問題点を指摘した。また、情報労連、電機連合、サービス・流通連合の代表者が、時間外労働や年休取得率の低下などによって、各組織の職場で長時間労働が深刻化している実態を報告し、参加者を巻き込んで意見交換を行った。
最後に、「ホワイト・カラー・イグゼプションの導入は決して認められない」とするアピールを採択し、生活と健康を守れる労働時間法制の実現に向けた、各職場での取り組みを呼びかけた。
アピール
いま、日本の労働時間は、長短二極化していると言われます。30代の男性ではおよそ4人に1人が週60時間以上働き、有給休暇の取得率は、50%を切ってなお、低下しています。ストレスの増大やメンタルヘルスの問題、過労死や過労自殺の増加など、働く人たちの心と体の健康が損なわれ、一方では、仕事と生活の両立が困難なために、多くの女性が働き続けることと子どもを産み育てることの選択を迫られています。
このように、長時間労働がもたらす弊害が顕在化している中で、労働時間法制の見直し議論が、労働条件分科会においてスタートしました。しかし、その内容の中心は、「自律的労働時間制度」です。これは、一定の要件にあてはまるホワイトカラー労働者については、労働基準法が定める労働時間規制の適用を除外しようという、まさに「ホワイトカラー・イグゼンプション」です。私たちは、このような制度を、決して認めることはできません。
働きすぎや働かせすぎが問題となっているいま、なぜ、労働時間規制という保護の対象外にしなければならないのでしょうか?労働時間規制をはずせば、私たちは自由にいきいきと、仕事と生活の調和がとれた働き方を手にすることができるのでしょうか?労働時間規制をはずした労働者を増やすのは、いったい何のためなのでしょうか?
私たちが、まず取り組むべき課題は、長時間労働をどのようにして是正していくのかということです。健康、家庭生活、地域とのかかわり、自己啓発などの切り口から、労働時間のあり方を考えてみることです。「ワーク・ライフ・バランス」という視点から、労働時間のあり方を見つめ直すことなのです。
労働時間法制の見直しは、すべての働く人たちの大切な問題です。私たちは、全国の働く仲間の声をしっかりと受け止めていかなければなりません。今日のシンポジウムを皮切りに、「ホワイトカラー・イグゼンプション」の導入を許さず、生活と健康を守れる労働時間法制の実現をめざして、すべての職場で取り組んでいきましょう。
2006年4月17日
連合シンポジウム「労働時間規制を問い直す」

