日本BPO協会清水会長と連合神保事務局長
連合は、2010年以降、派遣労働者・有期雇用労働者等が安心して働くことのできる環境整備に向け、一般社団法人BPO協会との間で、意見交換や共同宣言の確認を行ってきました。
産業構造の変化や少子化の進行にともなう生産年齢人口の減少によって雇用・労働環境が大きく変化する中で、誰もが安全に安心して働くことのできる就業環境の整備がより一層重要となっています。
そうした中、日本BPO協会、連合が各々の立場で、派遣労働者・有期雇用労働者等が安心して働きくらすことができる社会をめざし、取り組む課題などについて意見交換を行い、以下の共同宣言を確認しました。
一般社団法人日本BPO協会と日本労働組合総連合会との共同宣言
一般社団法人日本BPO協会(以下「BPO協会」)と日本労働組合総連合会(以下「連合」)は、2010年以降、派遣労働者・有期雇用労働者等が安心して働くことのできる環境整備に向け、協議・意見交換を重ねてきた。
デジタル技術の進展などによる産業構造の変化や少子化の進行にともなう生産年齢人口の減少によって雇用・労働環境が大きく変化する中で、誰もが安全に安心して働くことのできる就業環境の整備がより一層重要となっている。働き方改革の柱の一つとして法整備された「同一労働同一賃金」施行後5年の見直しにおいては、ガイドラインの拡充を含む、待遇改善に資する方策が示された。今後は、制度の趣旨が現場で確実に実装されるよう、運用面における着実な改善が重要となるため、労使で取り組まなくてはならない。そのうえで、見直しの方向性を踏まえ、労使が協力し、雇用形態にかかわらず、誰もが安心・納得した待遇で働くことができるよう、制度運用の実効性を高める取り組みを進めていくことが求められる。
将来にわたり人材を確保・定着させ、日本全体の生産性を高めていくためにも、持続的な「人への投資」「未来への投資」が重要であり、実質賃金を1%上昇軌道に乗せ、“賃上げノルム”を確立していくことが欠かせない。「取引の適正化」「労務費の価格転嫁」が確実に行われること、とりわけ労働者派遣においては、処遇改善のためにも、賃金原資となる派遣料金に労務費が適正に転嫁される必要がある。両者が認識を共有し、関係者と協力し連携しながら、その実現に向けて取り組んでいかなければならない。あわせて、「ビジネスと人権」などの観点も踏まえ、ハラスメント対策を含めた労働関係法令の遵守と、労働者との対話を通じた、より働きやすい職場づくり、さらには、技術・技能の向上やキャリア形成に寄与する人材育成が必要である。
BPO協会は、健全な労使関係のもと、雇用の安定と均等・均衡待遇の実現、請負・派遣事業による労働力の需給調整という重要な社会的機能を担うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)・派遣業界の健全な運営、人への投資による雇用のミスマッチの解消に向け取り組んでいく。また、主体的にキャリア形成できるよう、新たな知識や技術を習得する支援体制の整備など、派遣労働者・有期雇用労働者等が安心して働くことのできる環境を不断に整備していく。
連合は、すべての働く者の雇用と生活の安定に向け、合理的な理由のない雇用形態間待遇差の解消など、同じ職場を支える仲間の処遇改善に引き続き取り組んでいく。あわせて、豊かな生活時間の確保とあるべき労働時間の実現や人への投資につながる持続的な賃上げ、能力開発と処遇改善の好循環に向けた取り組みを推進し、誰もが多様性を認め合い支え合う、「働くことを軸とする安心社会」の実現をめざす。
今後も、BPO協会はBPO・派遣の使用者団体として、連合は労働組合のナショナルセンターとして、引き続き協議・対話を深めながら、派遣労働者・有期雇用労働者等をはじめとする全ての働く仲間が安心して働きくらすことができる社会をめざし、努力を重ねていく。
2026年3月12日
一般社団法人日本BPO協会
会 長 清水 竜一
日本労働組合総連合会
会 長 芳野 友子