連合ニュース 2025年

 
2025年12月12日
芳野会長が「男女共同参画会議(第76回)」で意見表明
 
 12月12日、「男女共同参画会議(第76回)」が総理大臣官邸で開催され、「第6次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(答申案)」について、各有識者が意見表明を行った後、議長に一任されました。
 連合からは芳野会長が出席し、意見書を提出したうえで、「答申案」の段階で追記された「旧姓使用に法的効力を与える制度の創設の検討」に関して苦言を呈するとともに、2030年までの完全なジェンダー平等の実現に向けて、以下のとおり意見表明を行いました。
 
〇今回の「答申案」では、旧姓使用に法的効力を与える制度の創設に関する文言が追加されている。第6次計画策定に当たっての基本的な考え方は、専門調査会で約1年かけ丁寧な議論が行われ、パブリックコメントを経て整理されている。このような経緯を踏まえると、「答申案」の段階で、極めて重要な論点について、新たな記述が加えられたことは問題視せざるを得ない。
 
〇婚姻前の氏を名乗り続けられるかどうかは、個人の尊厳や人権に関わる重要な問題である。日本は夫婦同姓を法律で強制する唯一の国であり、国連女性差別撤廃条約から繰り返し勧告を受けている。旧姓の通称使用拡大は、国際社会で通用しないだけでなく、人権尊重という要請にも応えられない。働く現場からは、キャリアの分断、ダブルネームの弊害などの不利益が指摘されている。旧姓の通称使用拡大はあくまで過渡的措置である。旧姓使用に法的効力を与える制度の創設を検討するのであれば、選択的夫婦別氏制度の早期導入に向けた取り組みの強化も併記するべきである。
 
〇世界の潮流が2030年までの完全なジェンダー平等の実現であることを踏まえれば、ジェンダー平等・多様性推進が遅れている要因を明らかにするとともに、すべての労働者の長時間労働の是正、女子差別撤廃条約選択議定書の早期締結、第3号被保険者制度の廃止など、必要な施策を速やかに取り組んでいただき、より踏み込んだ成果目標の設定をお願いしたい。

〇最後に「答申案」については反対の立場である。
以上