要請書手交の様子
連合は12月11日、内閣府および消費者庁に対して、「2025年度 連合の重点政策」(消費者政策、ジェンダー平等・多様性推進、子ども政策)に関する要請を行いました。
はじめに、林副事務局長が津島副大臣に要請書を手交したのち、連合が下記の要請内容を説明しました。
<消費者政策>
〇職場におけるハラスメントを行ってはならないことについての国民の規範意識を醸成するため、カスタマー・ハラスメント防止に向けた消費者教育を行う。
〇ダークパターンへの対応などについて、2021年の特定商取引法改正の効果を検証し、消費者のぜい弱性に着目した消費者保護ルールの整備を行う。
〇今年6月の改正公益通報者保護法について、通報妨害および通報者探索の「正当な理由」の範囲を限定したうえで適切に周知する。また、改正法の運用状況をふまえつつ、3年後の見直しに向けては、①通報者に報復として配置転換を行った企業への行政措置や刑事罰導入、②立証責任の事業者側への転換、③通報妨害および通報者探索に対する規制のあり方を検討して法に定め、通報者保護の強化を行う。
<ジェンダー平等・多様性推進>
〇世界の潮流は2030年までの完全なジェンダー平等の実現であることを踏まえ、「第6次男女共同参画基本計画」においてはさらに踏み込んだポジティブ・アクションなどの「具体的な取り組み」を策定し、その実行を通じた早期の目標達成をめざす。
〇政府が進める旧姓の通称使用には限界があり、国連女性差別撤廃委員会から繰り返し勧告を受けていることを踏まえ、男女不平等を是正し、人権の尊重、個人の尊厳を基底に置いた社会実現のため、選択的夫婦別氏制度をただちに導入する。
〇「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が定める「基本計画」および「指針」をただちに策定し、国民の理解増進に関する施策を実行するとともに、性的指向・性自認の多様性に関する差別を禁止する法律を制定する。
<子ども政策>
〇安全で質の担保された子ども・子育て支援サービスの提供体制の確保に向けて、保育中の事故の未然防止、災害時の安全確保などを行う。また、子ども・子育てにかかわる職員の賃金・労働条件の改善により人材を確保する。子ども・子育て支援金制度の徴収開始にあたっては、被保険者への周知や実施状況の確認・評価の透明性を確保する。
津島副大臣は、消費者政策について、「カスタマー・ハラスメント防止に向けた啓発チラシなどをホームページに掲載するとともに、地方自治体で配布している。引き続き厚生労働省と連携して取り組む。詐欺や誤認表示には厳正に対処しているが、ダークパターンには多様な手法があるため、新たに設ける検討会で議論する。公益通報者保護法は改正内容を正しく理解いただけるよう周知する。3年後の見直しに向け、立法事実などを注視したい」と述べました。
ジェンダー平等・多様性推進については、「『第6次男女共同参画基本計画』策定後も確実に取り組みを進めたい。選択的夫婦別氏制度導入については、まずは通称使用の拡大に取り組み、国会や国民に情報を共有し、議論を行う。不当な差別を解消するため、理解増進法の『基本計画』および『指針』への指摘を考慮しつつ、関係省庁と連携して適切に取り組む」と述べました。
子ども政策については、「こども家庭庁は、教育・保育施設における重大事故の防止、児童相談所などの職員の処遇改善などをはかっている。すべての人たちが当時者意識を持ち、子どもを社会全体で育てることで、経済、社会もより良い国にしていくとの理念を伝え、引き続きこども家庭庁が先頭に立ち、『こどもまんなか社会』の形成をはかっていきたい」と述べました。
最後に津島副大臣が「ジェンダー平等などの課題については、全ての国民の幸せを考え、慎重に議論していきたい」と述べて締めくくりました。