連合ニュース 2025年

 
2025年12月05日
2026春季生活闘争格差是正フォーラムを開催
~中小企業が賃上げしやすい環境整備と労働組合の行動の必要性を認識共有~
フォーラムの様子
 連合は、12月4日、全電通労働会館で、「2026春季生活闘争 格差是正フォーラム」を開催しました。537名(会場参加129名・WEB参加408名)が参加し、取引の適正化等の中小企業が賃上げしやすい環境整備の必要性を共有した上で、2026春季生活闘争で「底上げ」「底支え」「格差是正」の取り組みを強力に推進していく決意を固めました。
 
 冒頭、主催者あいさつに立った安河内賢弘 副会長は、「本フォーラムは、『底上げ・底支え』『格差是正』の取り組みをはかるために開催する。中小受託取引適正化法(取適法)は、当初、法案成立から1年以内の施行としていたが、2026春季生活闘争における賃上げの環境整備として来年1月1日の施行にこだわり、立憲民主党・国民民主党の両政党を中心に働きかけた結果、実現した。2026春季生活闘争の要求提出前に、適正な価格転嫁・取引の適正化に資する取適法が施行するということは重要な意味を持つ。2026春季生活闘争は、日本の実質賃金を1%上昇軌道に乗せ、これからの‘賃上げノルム’を社会全体への波及と持続的な定着へとつなげていく正念場である。構成組織、地方連合会、連合本部が一丸となって社会全体を巻き込みながら行動していく心合わせの場としよう」と述べました。
 
 次いで、行政、経営者団体、労働組合(構成組織)より、中小企業における賃上げしやすい環境整備にかかわる取り組み報告がありました。
 
■講演1:価格転嫁・取引適正化に係る最近の状況について
 中小企業庁 小高篤志 取引課長より、価格転嫁・取引の適正化に係る最近の状況について、取適法(中小受託取引適正化法)・振興法(受託中小企業振興法)の概要、「価格交渉促進月間」における取り組み、価格転嫁率の推移、重点支援地方交付金の活用などの情勢に触れ価格転嫁・取引適正化の推進について、共有しました。
 
■講演2:取適法(改正下請法)の施行に向けた準備状況と企業取引研究会の再開
 公正取引委員会 柴山豊樹 企業取引課長より、取適法(改正下請法)の施行に向けた準備状況、広報・周知活動の内容を紹介いただいたうえで、議論を再開した企業取引研究会における主な論点などについて報告いただきました。
 
■講演3:中小企業における賃上げ・価格転嫁の現状と課題
 日本商工会議所 清田素弘 産業政策第二部 担当部長より、賃上げ・価格転嫁に対する日商の基本的な考え方、中小企業の賃上げの現状、中小企業の賃上げに向けた環境などをテーマに講演いただきました。そのうえで、「中小企業の賃上げ推進に向け労使で粘り強く取り組みを進めよう」と呼びかけました。
 
■講演4:「パートタイム労働者の処遇改善・格差是正の取り組み」
 UAゼンセン 流通部門 中川紀子 執行委員より、パートタイム労働者の待遇の実態、正社員転換の状況、無期雇用転換の状況などを披瀝いただき、UAゼンセン流通部門の考え方と取り組みを共有しました。
 
■講演5:「取引慣行に関する実態調査」格差是正の取り組み
 フード連合 雪野洋平 産業政策局長より、フード連合とUAゼンセンで取り組んでいる「取引慣行に関する実態調査」や関係省庁・業界団体・政党への要請行動の概要を報告いただき、フードバリューチェーンの各段階で価値を認め合う公正な取引関係をつくることで、中小企業の賃上げと格差是正の土台づくりへと繋げる取り組みを引き続き展開していくことを共有しました。
 
 最後に、連合労働条件・中小労働委員会・副委員長の近藤英弘 電機連合副会長が、講演の内容を振り返ったうえで、2026春季生活闘争に向けて、①中小受託取引適正化法(取適法)の周知・浸透活動を行い、賃上げできる環境を整えること、②パートナーシップ構築宣言のさらなる拡大と現場への浸透、③適正な価格転嫁を個別企業間の取引のみならず、グループ企業や産業レベル・業界レベルへと広げていくことを強調し、「『こだわろう!くらしの向上 ひろげよう!仲間の輪!』のスローガンのもと、構成組織、地方連合会、連合本部一丸となって行動していきましょう」と呼びかけ、閉会しました。
 
〈連合アクション 12.4街頭アピール行動〉
 フォーラム終了後、冨田副事務局長の司会・進行のもと、永島会長代行、立憲民主党・山岡達丸衆議院議員、国民民主党・浜口誠参議院議員、中野組織委員会副委員長(損保労連中央執行委員長)、津崎副会長(フード連合会長)を弁士として、有楽町マリオン前にて街頭アピール行動を実施しました。
 2026春季生活闘争は、日本の実質賃金を1%上昇軌道に乗せこれからの‘賃上げノルム’とすること、賃上げがあたりまえの社会の実現に向け社会全体への波及と持続的な定着へとつなげていく正念場であることを訴えました。
 また、組合づくりPRコーナーを設置し、「こだわろう!くらしの向上 ひろげよう!仲間の輪」のスローガンのもと、組合づくりや労働相談など連合の取り組みをアピールしました。
 
以 上
  • 連合 安河内副会長
  • 中小企業庁 小高課長
  • 公正取引委員会 柴山課長
  • 日商 清田担当部長
  • UAゼンセン 流通部門 中川執行委員
  • フード連合 雪野局長
  • 労働条件・中小労働委員会 近藤副委員長
  • 街宣車からのアピール
  • 宣伝器材を配布
  • ユニオニオンも一緒に