記者説明会の様子
<記者説明会開催の背景>
連合は、2022年から文化芸能芸術分野におけるフリーランスの課題解決に向けて、連合運動に対する助言・意見等を求める場として、「Wor-Qアドバイザリーボード」を設置しています。
2024年~2025年度のアドバイザリーボードでは、メンバーへのヒアリングや意見交換などを通じてフリーランスを取り巻く課題を洗い出した上で、課題解決に向けた論議や取り組み経過を整理するとともに、連合運動に対する助言・意見についてとりまとめました。
また「フリーランス月間」や「フリーランスとして働く人の意識・実態調査2024」等を通じて、「デザイン制作物を無断で二次利用された」「報酬の支払いの遅延」、「一方的な仕事の取消し」などといった発注者とフリーランスとの間の契約に関するトラブルや課題が浮き彫りとなり、対等な契約に向けた契約書を求める多くの意見がありました。これを受けて、アドバイザリーボードのもとに契約書に詳しい弁護士を中心としたワーキンググループを設置し、「契約書のひな形」を策定しました。
<記者説明会>
冒頭のあいさつで、連合 則松副事務局長が、「日本の重要な産業であるコンテンツ分野における働き方の課題に対して、その関係団体と連合が連携して取り組む意義は非常に大きいと感じている。連合は引き続き、関係機関や他団体との連携のもと、フリーランスを含め、誰もが働きやすい社会の実現のために取り組んでいく」と述べました。
その後、連合 春田総合運動推進局長より、「Wor-Qアドバイザリーボードでの論議とりまとめ(報告)」について説明がありました。
続いて、菅弁護士(東京法律事務所)より「契約書のひな形」について説明がありました。菅弁護士は、「労働組合の連合が作る『契約書のひな形』であるため、働く者の視点で公正な取引慣行を実現するという思いで策定を行った。またクリエイターの方々の才能や努力、労働に対してしっかりと報酬が支払われるとともに、きちんと職業生活が送れることを意識して策定した」と述べました。
また、フリーランスのイラストレーターである小池アミイゴさん(TIS元理事長)からは、「今までイラストレーターとしての仕事をする中で、発注者との打ち合わせやアイデア出しなど無償でやっていることもあったが、そこに対してもしっかりと対価が支払われるように明記されたことは大きな前進である。イラストレーターの仕事は、「好きでやっている」などと言われることもあるが、イラストレーターも立派な労働なんだということを感じた。またイラストレーションは人を幸せにする仕事だと思っており、イラストレーターがいい仕事をするためにも『契約書のひな形』は役立つものと期待している」と思いを述べました。
連合は、引き続き「契約書のひな形」の普及促進を行うとともに、フリーランスが働きやすい環境整備に取り組んでまいります。
イラストレーション作成利用契約書