連合ニュース 2025年

 
2025年08月27日
芳野会長、政府「第15回GX実行会議」で意見表明
8月26日午前、政府「GX実行会議」(議長:石破首相)の第15回会合が首相官邸で開催され、連合から芳野友子会長が構成員として出席しました。今回の会合では、武藤GX実行推進担当大臣より「「GXをめぐる情勢と今後の取り組みについて」、浅尾環境大臣より「GX産業立地に貢献する環境省の取り組み」それぞれについて説明がありました。
 芳野会長は「GX産業立地」政策を通じた「地方創生2.0」の実現、インフラ整備、中小・中堅企業に対するGX投資メニュー、GXに対する社会全体の理解醸成について意見表明しました。
 
<芳野会長発言要旨>
〇新たな産業集積を通じたGX産業立地の形成は地方創生に資するものであり、戦略地域の策定や選定にあたっては、事業者と自治体との対話のみならず、計画作りの段階から労働組合を含む地域の関係当事者も交えた社会対話を行うことが重要である。なぜなら、新たな産業集積の形成は、地域における新たな雇用を生み出し、人口減少に歯止めをかけ、当該地域の経済・社会の活性化につながる好循環を生み出す原動力となり得るからである。なお、この好循環を確かなものとしていくには、中小企業も含めた企業に対する金融機関などの伴走型支援、地域で働く労働者の職業能力開発、地域の高等教育機関と連携した研究開発や専門人材の育成など、省庁横断的な体制のもとで行うことが重要であり、重層的な支援体制の構築をお願いしたい。
〇「GX産業立地」の類型として示されている、データセンターの大型集積や脱炭素電源の活用を進めていくには、電源と電力系統を一体的に運営・管理する仕組みの確立が必要である。特に、系統運用者が必要な対応を迅速に行うためには、必要な情報を早期に把握できる環境の整備が不可欠である。加えて、電力供給は、エネルギーセキリティの強化やレジリエンスの観点から、系統電力に加えてガスによるコージェネレーションシステムなど、多様なエネルギー供給も含めたインフラ整備を進めることが重要である。
〇中堅・中小企業に対する支援策は、先進技術や新事業などへの投資に限られており、新規事業実現にむけた実務面でのサポート施策が少なく、広く活用が進んでいない状況にある。商流が中堅から中小へと流れていく中、特に、中堅企業の製造工程や製品をGX化していくことが必要と考えるが、中堅企業への投資サポート施策が少なく、また、制度があっても自社で使える施策を見つけるのが困難であると聞いている。中堅・中小企業に対する投資は、省エネや新規事業への投資に加えて、プッシュ型の情報提供や実務面でのサポート施策についても検討いただきたい。
〇省エネ等の推進は、人々の暮らしに大きな影響を与える可能性があり、トランジション期を考慮して段階的に推進する必要がある。加えて、新規事業や既存事業の高度化は、現実的かつ効率的・効果的な手段であるか検証しながら、かかる費用を特定の産業だけが負うのではなく、便益を享受する国民全体で負担できるよう社会全体の理解醸成にむけて、引き続き政府にはご尽力いただきたい。GXに対する社会の理解が深まれば、国民の行動変容の促進にも資するものと考える。
 
以上