連合ニュース 2025年

 
2025年08月18日
2025平和行動in広島を開催
2025平和行動in広島を開催 ~戦後・被爆80年語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で核兵器廃絶と恒久平和を実現しよう~
広島から長崎へのピースフラッグリレー

連合は、8月5日から世界で初めて原爆が投下された日である6日にかけて、現地・広島市において「2025平和行動in広島」を開催しました。
 
<8月5日(火)(1日目)>
【被爆80年2025平和ヒロシマ集会】16:00~18:30
 広島市・上野学園ホールにおいて「語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で核兵器廃絶と恒久平和を実現しよう」をテーマに、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)と核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)の共催のほか、広島県、広島市、平和首長会議や全国のNPO・NGOなど多くの団体から後援をいただき開催しました。さらに、戦後・被爆80年の節目に、リュック・トリアングル国際労働組合総連合(ITUC)書記長をはじめ、アメリカ、ドイツ、イギリス、アジア太平洋地域の代表にもご臨席いただき、全国の構成組織・地方連合会から1,711名が参加しました。
 
 開会前には折り鶴を持ち寄った多くの人々が、平和の思いを込めて舞台上に献納を行いました。また、プロローグとして、被爆者による体験証言DVDが舞台スクリーンに投影されました。
 
 集会は中桐由紀子・連合広島女性委員会副事務局長による司会で、冒頭、参加者全員による黙祷が行われました。
 主催者代表挨拶として芳野友子・連合会長から、「連合は、若い世代を中心に、戦争の歴史や知識、「語り部」の皆さまの思いを継承するための取り組みを続けてきた。今回の平和行動においても、連合広島や中国ブロックの青年・女性委員会の皆さんがピースガイドを務めるピース・ウォークや被爆路面電車乗車学習会を実施し、参加者の皆さまには被曝の実相を肌で感じていただくとともに、入念な準備を重ねてきた青年・女性委員会の皆さん、関係者の皆さんに、改めて感謝を申し上げたい。」「現代世界には武力紛争があふれ、核戦争の危険性は過去数十年間で最も高まっている。そうしたなか、「日本原水爆被害者団体協議会」の、長年にわたる核兵器の非人道性の訴えと平和への歩みが評価され、昨年末にノーベル平和賞を受賞した。この受賞は、核兵器の脅威が高まる国際情勢の中で、私たちに希望の光を与え、同時に国際社会に対して、「核兵器禁止条約」への早期署名・批准を求める大きな声となった。」「本年3月7日の核兵器禁止条約第3回締約国会議では、核兵器禁止条約を批准していない31のオブザーバー国を含む87の国・地域が参加し、「国際情勢の不安定化が進む中でも、核兵器なき世界に向けた取り組みを強化する」との政治宣言が採択されたが、国際社会の継続した対話の重要性、世界の安全保障環境への危機感が多くの国と地域の間で共有されたことは、核兵器廃絶に向けた論議を深めるうえで極めて重要であると考える。日本政府には、唯一の戦争被爆国として、核軍縮と不拡散の強化に向けた具体的な取り組みの履行を各国に求めるなど、「核兵器のない世界」の実現に向けた不断の外交努力を強く求めたい。」と述べ、改めて核兵器廃絶と恒久平和の実現に向け、取り組みを進めていく決意を示しました。
 続いて、地元地方連合会の大野真人・連合広島会長より「広島に投下された原子爆弾による14万人以上の犠牲者を追悼し、同様の悲劇を繰り返さない。連合が「平和なくして労働運動なし」の信念のもと、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現に向けた地道な平和運動を展開してきた。また、核兵器禁止条約への署名と批准を日本政府に求め、国際社会における核兵器廃絶の取り組みを強化してきた。さらに、戦争を経験していない世代が平和な社会を築くために歴史と教訓を学び続けることが重要であり、次世代に平和の大切さを伝えていく。核兵器廃絶と恒久平和の実現に向けて、協力していきたい。」と述べました。
 次に、来賓として横田美香・広島県副知事、山藤貞浩・広島市市民局長からご挨拶をいただきました。
 海外来賓を代表してリュック・トリアングル国際労働組合総連合(ITUC)書記長から海外来賓の紹介と、「広島が核兵器による破壊から立ち上がり、平和と人間の尊厳の象徴としての役割を果たしていることを称賛します。広島と長崎への原爆投下から80年が経過したにもかかわらず、核兵器の脅威が依然として存在し、多くの人々がその教訓を学んでいないことを残念に思います。ITUCとして、連合が取り組んでいる核兵器廃絶に向けたキャンペーンを全面的に支持し、平和と社会正義を求める活動を続けます。核兵器は平和ではなく、絶滅をもたらすものであり、核兵器のない世界をめざすために国際社会が協力して取り組む必要があります。具体的には、軍事支出の大幅な削減と、持続可能な開発目標(SDGs)を支援するための「世界平和配当基金」の創設を提案します。また、核兵器禁止条約への署名と批准をすべての国に呼びかけ、核兵器保有国に対しては期限を定めた核軍縮計画を求めます。真の安全保障は武器によるのではなく、社会正義と共通の安全保障によって生まれるのです。」との海外来賓挨拶をいただきました。
 被爆体験証言として、広島県原爆被害者団体協議会の切明千枝子様より、ご自身の体験を踏まえた当時の様子をお話しいただくとともに、「広島の街を歩く時、地下に眠る人々のことを思い、『踏んづけてごめんね』と心で詫びてほしい。それが亡くなった人々を心の中に生き返らせることになる」と語っていただき、二度と悲劇を繰り返さぬよう、皆で力を合わせ平和を守ってほしいと強く訴えていただきました。
 続いて、若者からのメッセージとして、第27・第28代高校生平和大使の皆様から活動報告と決意表明が行われた後、大野真人・連合広島会長から平和行動次開催地の髙藤義弘・連合長崎会長へ連合ピースフラッグが引き継がれました。
 最後に、藤原里栄・連合広島女性委員会委員長より平和アピール(案)が読み上げられ、満場一致の拍手で採択され閉会しました。 
 
 平和ヒロシマ集会の様子は、後日、連合公式YouTubeチャンネル「RENGO TV」にアップいたします。
 
 なお、平和ヒロシマ集会に先立ち、広島市役所において連合代表団と松井一實・広島市長/平和首長会議議長との懇談を実施しました。
 
【ピース・ウォーク】13:00~15:00
 連合広島の青年委員会・女性委員会のメンバーが「ピースガイド」として案内役を務め、広島平和記念公園内の慰霊碑や記念碑を巡る「ピース・ウォーク」を実施し、全国から約430名が参加しました。
 また、受付周辺では原爆パネル展を併設し、原爆の悲惨さを多くの参加者に伝えました。
 
【被爆路面電車 乗車学習会】13:20~15:20
 原爆の被害を直に受けた2輌の路面電車が「歴史の生き証人」という大きな使命を背負い、現在もなお営業用車輛として使用されています。この車輛に実際に乗車し、沿線の被爆建物や遺構を巡る「被爆路面電車 乗車学習会」を実施しました。連合広島青年委員会がガイドを務め、全国から約90名が参加しました。
 
【連合・原爆死没者慰霊式】19:15~19:45
 平和ヒロシマ集会終了後、原爆ドーム前にて、原爆死没者に対する追悼と恒久平和への願いを込めて「連合・原爆死没者慰霊式」を実施しました。
 冒頭、出席者全員による黙祷を行った後、井上晃・連合広島青年委員会委員長による誓いの言葉が読み上げられました。芳野友子・連合会長、大野真人・連合広島会長、リュック・トリアングルITUC書記長、リズ・シュラーAFL-CIO会長、ヤスミン・ファヒミDGB会長、ポール・ノワクTUC書記長、吉田昌哉ITUC-AP書記長、髙藤義弘・連合長崎会長による代表献花・献水に続き、各地域からお持ちいただいた献水、参加者一人ひとりによる献花がおこなわれました。
 
<8月6日(水)(2日目)>
【長崎平和の鐘 打鐘式】08:00~08:20
 広島市立大学構内にて「長崎平和の鐘 打鐘式」を開催し、原爆が投下された午前8時15分に黙祷を捧げました。
 「長崎平和の鐘」は、被爆50年の節目に連合長崎から連合広島へ送られ、その後広島市へ寄贈されたもので、参加者全員で鐘を撞き、平和への想いを一つにしました。
 
【平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)】08:00~08:50
 広島市主催の平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)が平和記念公園の広島平和都市記念碑(原爆死没者慰霊碑)前で開催され、組合員を代表し、芳野友子・連合会長、大野真人・連合広島会長、髙藤義弘・連合長崎会長、リュック・トリアングルITUC書記長、リズ・シュラーAFL-CIO会長、ヤスミン・ファヒミDGB会長、ポール・ノワクTUC書記長、吉田昌哉ITUC-AP書記長、リュック・トリアングルITUC書記長、AFL-CIOデイビッド・ハースト、IGBCE会長兼インダストリオール・ヨーロッパ会長ミヒャエル・ヴァシリヤディス、TUC会長マークディキンソン、ヴィッキー・ノワク、ケイコディキンソンが参列しました。
 
【核兵器廃絶1000万署名】11:00~12:00
 広島駅猿猴橋付近で核兵器廃絶1000万署名活動を行いました。

  • 1.松井一實・広島市長との懇談
  • 2.芳野友子・連合会長による主催者代表あいさつ
  • 3.大野真人・連合広島会長による地元地方連合会あいさつ
  • 4.リュック・トリアングル・ITUC書記長による来賓あいさつ
  • 5.切明千枝子様による被爆体験証言
  • 6.第27・28代高校生平和大使からのメッセージ
  • 7.髙藤義弘・連合長崎会長によるピースフラッグを受けてのあいさつ
  • 8.藤原里栄・連合広島女性委員会委員長による平和アピールの提案
  • 9.連合・原爆死没者慰霊式代表献花の様子
  • 10.井上晃・連合広島青年委員会委員長による誓いの言葉
  • 11.被爆路面電車 乗車学習会の様子
  • 12.ピース・ウォークの様子
  • 13.長崎平和の鐘打鐘式
  • 14.核兵器廃絶1000万署名活動