連合ニュース 2025年

 
2025年05月14日
芳野会長が「第34回新しい資本主義実現会議」で意見表明
 5月14日(水)、「第34回新しい資本主義実現会議」が首相官邸で開催されました。
 今回は、「『中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画』の施策パッケージ案」「地方経済の高度化」「資産運用立国の推進」「2040年の産業構造・就業構造の推計」について、構成員・参考人による意見交換が行われました。
 連合からは芳野会長が出席し、意見書を提出したうえで、施策パッケージ案、事業承継・M&A等の中小企業・小規模事業者の経営基盤の強化、資産運用立国の推進について、以下のとおり意見表明を行いました。
 
<芳野会長発言要旨>
〇「中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画」が目指す方向性を「持続的・安定的な物価上昇の下で、物価上昇を1%程度上回る賃金上昇を賃上げのノルムとして我が国に定着させる」とすることに賛成する。
 なお、「5か年計画」の施策パッケージを策定することは理解できるが、「物価に負けない賃上げ」は5年後ではなく早急に実現・定着させるべき。あわせて、なぜ中小企業・小規模事業者を念頭に置いた賃上げ支援が必要なのか、現状認識と課題をわかりやすく国民に説明する項目を加えるべきである。
 また、12業種の経営変革の後押しと賃上げ環境の整備を行うに際しては、業種ごとの特徴を踏まえ、個別企業の生産性向上支援策と「官公需も含めた価格転嫁・取引適正化」を両輪で進めることが肝要であることを補強すべきである。

〇「事業承継・M&A等の中小企業・小規模事業者の経営基盤の強化」について、「事業承継・M&Aに関する新たな施策パッケージ」ではM&Aの売り手や買い手への支援などが掲げられているが、M&A以降の事業の維持・発展にも労働者の理解と協力が不可欠であることを踏まえれば、雇用維持に加え安心して働き続けられる環境整備が重要である。そのため、「事業承継・M&Aに関する新たな施策パッケージ」には、「労働者保護ルールの強化」を大きな柱として位置づける必要があると考える。

〇資産運用立国の推進について、金融資産などへの投資は余剰資金によって行われるべきものであり、貯蓄にさえ十分に回せない層が多く存在することを認識すべき。また、若年層や非正規雇用で働く者の資産形成の入り口は貯蓄であり、貯蓄の重要性にも触れるべきである。
 なお、年金積立金は、専ら被保険者の利益のために使われるものであり、スタートアップの成長投資の後押しを目的に、運用が行われるべきではない。またオルタナティブ資産への投資の拡大は慎重に検討されるべきである。
 
以 上