フランス大使館要請
連合は、唯一の被爆国のナショナルセンターとして、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現をめざし、核兵器保有国に対して要請や意見交換を継続して行っています。2024年も原水爆禁止日本国民会議(原水禁)、核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)とともに、9月10日にフランス、9月24日にアメリカ、9月26日にイギリスの各国駐日大使館を訪問し、「核兵器廃絶」に向けた要請行動を行いました(中国、ロシア大使館に対しては要請書を郵送)。
<フランス大使館>
連合・北野副事務局長は「世界では、ロシアによるウクライナへの侵略戦争により核兵器の使用の危機が高まっている。また、イスラエルによるガザ地区の人道危機を憂慮する。大国であるフランス政府には、核兵器の廃絶に向けて、強いリーダーシップの発揮を求める。国連・常任理事国である大国が「対立と分断」を深めていることを私たちは危惧している。引き続き、フランス政府のリーダーシップの発揮を求めたい」と述べました。
これに対し、駐日フランス大使館のロマン・リドー参事官は「核兵器は本当に恐ろしい兵器であり、抑止目的に限るべきというのがフランスのスタンス。核戦争は決して勝利をもたらさず、あってはならない。ウクライナ侵攻後のロシアのように核兵器使用を示唆する保有国があることを我々も憂慮している。ロシアの発言は国際的な公約に反しており、その点をG7とも共有している。核の問題とは異なるが、イスラエル・ガザ問題についても、解決に向けて努力を続けていきたい。対立を深める大国にも、働きかけを続けていく。2026年に開催予定のNPT再検討会議では、前回の失敗を踏まえ、確たる成果をあげるべく今後も取り組みを進めていく。NPTは国際的な安全保障の礎であり、その3本柱のバランスの取れた成果を期待する。また、広島・長崎の式典には毎年参加しており、被爆の記憶は重要であるゆえ参加は義務だと認識している。広島・長崎を大変重視していることを理解いただきたい」とこたえました。
<アメリカ大使館>
連合・北野副事務局長は「私たちは、唯一の戦争被爆国である日本として、核兵器の悲惨さ・非人道性を世界に発信し続けている。大国間の対立と分断が深まっていることを危惧しており、アメリカ政府には、核兵器廃絶への強い意志を示し、核軍縮・世界平和に向けたリーダーシップを求めたい」と述べました。
これに対し、駐日アメリカ大使館のヌルスルタン・エルドソフ政治部安全保障政策課書記官は「ロシアの核兵器使用を示唆する発言や北朝鮮のミサイル発射、中国の核近代化など、このような動きの中で核抑止の取り組みは重要であり、米日のパートナーシップは、核抑止・核軍縮に大きな役割を果たしている。アメリカ政府は、核なき世界をコミットしており、その実現に向けて、NPTなどのプラットフォームを活用し取り組む」とこたえました。
<イギリス大使館>
連合・北野副事務局長は「核兵器が使用されて79年が経過したが、核兵器はなくならないばかりか、威力が増大した核兵器が開発されている。核兵器が存在する以上、核兵器使用のリスクは無くならない。G7広島サミットで知っていただいた核兵器の悲惨さ、非人道性を胸に「核兵器のない世界」の実現に向けた取り組みをお願いしたい」と述べました。
これに対して、駐日イギリス大使館のマックスウェル・ダゥンマン政治部二等書記官は「G7サミットから政権が変わったが、イギリスの核兵器に関する考え方は変わらない。引き続き「核兵器のない世界」の実現のために取り組んでいく。そのうえで、核兵器保有国、非保有国が一丸となって取り組むことが重要だと考えている」とこたえました。