日本労働組合総連合会
会長 芳野 友子
9月2日、連合元会長の髙木剛さんがご逝去されました(享年82歳)。ここに謹んで哀悼の意を表します。
髙木さんは、人生の大半を労働者の権利保護、生活改善、地位向上のための労働運動に身を捧げられ、2005年10月から4年間、連合の第5代会長として連合運動をけん引されました。そして、全民労協の頃から連合結成に向けた作業に参画されるなど、連合の草創期にその礎を築いていただいたお一人でもありました。
連合会長在任中には、格差や貧困の深刻化など、当時厳しさを増す経済・雇用情勢の中で、髙木さんは、春季生活闘争における「中小共闘」強化や「パート共闘会議」創設、2007年の「非正規労働センター」設置をはじめ、中小企業、パート・有期・派遣契約などで働く者の処遇改善に力を注がれました。また、労働契約法の制定、労働基準法やパートタイム労働法の改正、そして労働審判制度の創設など、働く者のための政策・制度実現に取り組まれました。2008年のリーマン・ショックに端を発する経済危機に際しては、雇用の安定に向けて、政労使合意や雇用戦略対話の設置に奔走されました。国際労働運動の舞台でも、国際労働組合総連合(ITUC)副会長などの立場でその手腕を発揮されました。働く者・生活者の立場に立つ政治勢力の結集へのご尽力が、2009年の歴史的な政権交代の後押しとなったことも特筆すべき点です。
連合は、労働の尊厳が尊重され誰もが安心して働き生活できる社会に向けて、髙木さんの志を受け継ぎ、これからの運動に邁進してまいります。私たちは髙木さんの優しい笑顔を忘れません。どうぞ安らかにお眠りください。
以 上