2024年08月28日
芳野会長、政府「第12回GX実行会議」で意見表明
8月27日午後、政府の「GX実行会議」(議長:岸田首相)の第12回会合が首相官邸で開催され、連合から芳野友子会長が構成員として出席しました。今回の会合では、第11回GX実行会議で示されたGX2040ビジョンの4つ論点を土台に、これまで3回実施されたGX2040リーダーズパネルで抽出された課題を統合したたたき台が示されました。このたたき台は、①エネルギー・GX産業立地、②GX産業構造、③GX市場創造、④グローバル認識・ルールという4つの柱に10点の論点を含んでいます(齋藤GX実行推進担当大臣)。また、GX2040ビジョンに向けた環境省の取り組みとして、ペロブスカイト太陽電池の公共施設への導入や脱炭素先行地域の取り組みの拡大、資源循環の高度化、グリーン購入法を活用した需要創出などについて紹介がありました(伊藤環境大臣)。
会議において芳野会長は、今回示されたGX2040ビジョンのたたき台に関し、補強すべき点について以下のとおり意見を述べました。
○エネルギーの安定供給について
エネルギーの安定供給は国民生活の根幹であり、企業が日本で生産活動を行う上での大前提です。今後の電力需要増を含めたエネルギーの安定確保策は、S+3Eを堅持しつつ、複数シナリオのもと、予見可能性を向上させ、各界各層と丁寧な議論を行い、国民的合意を形成した上で、国の責任で実行いただきたいと思います。あわせて、廃炉や使用済み核燃料への対応、脱炭素電源を推進する人材の確保・育成にむけた道筋も明確に示していただきたいと思います。
○良質な雇用創出の重要性について
GX2040ビジョンの実現の基底には「公正な移行」が必要です。GX産業立地や産業構造によって生み出される新たな雇用は、グリーンでディーセントな雇用でなければなりません。加えて、中小・零細企業の産業転換については、サプライチェーン任せにせず、専門人財の派遣や地域の金融機関による伴走型支援、国による雇用への強力な目配せなど重層的な支援をお願いしたいと思います。
○カーボンプライシングについて
カーボンプライシングによる負担は特定の産業だけでなく、便益を享受する国民全体で負うべきであり、制度設計を急ぐと共に、負担に対する国民の理解醸成に取り組んでいただきたいと思います。特に、新たに生み出されるGX製品の価値や効果を「見える化」し、消費者にも分かりやすい市場を形成いただいきたいと思います。
以上