広島から長崎へのピースフラッグリレー
連合は、8月5日から世界で初めて原爆が投下された日である6日にかけて、現地・広島市において「2024平和行動in広島」を開催しました。
<8月5日(月)(1日目)>
【被爆79年2024平和ヒロシマ集会】16:00~18:00
広島市・上野学園ホールにおいて「語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で核兵器廃絶と恒久平和を実現しよう」をテーマに、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)と核兵器廃絶・平和建設国民会議(KAKKIN)の共催のほか、広島県、広島市、平和首長会議や全国のNPO・NGOなど多くの団体から後援をいただき開催しました。全国の構成組織・地方連合会から1,780名が参加しました。
開会前には折り鶴を持ち寄った多くの人々が、平和の思いを込めて舞台上に献納を行いました。また、プロローグとして、被爆者による体験証言DVDが舞台スクリーンに投影されました。
集会は中桐由紀子・連合広島女性委員会副事務局長よる司会で、冒頭、参加者全員による黙祷が行われました。
主催者代表挨拶として芳野友子・連合会長から「連合は、若い世代を中心に、戦争の歴史や知識、「語り部」の皆さまの思いを継承するための取り組みを続けてきた。今回の平和行動においても、連合広島や中国ブロックの青年・女性委員会の皆さんがピースガイドを務めるピース・ウォークや被爆路面電車乗車学習会を実施し、参加者の皆さまには被曝の実相を肌で感じていただくとともに、この間準備を重ねてきた若者たちの真摯な取り組みと熱意を感じていただけたものと確信している。世界に目を向けると、ロシアはウクライナ侵略における核兵器使用を示唆する発言や隣国ベラルーシに戦術核を移転するなど、近年、核戦争の危機がかつてないほどに迫っている。このような中、昨年12月開催の核兵器禁止条約第2回締約国会議では核兵器のない世界の実現をめざす政治宣言が採択されたが、日本政府は第1回会議に続いて参加を見送った。日本政府には、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界の実現に向け、核軍縮と核不拡散の強化に向けた外交努力を粘り強く続けるよう求めていく。核兵器廃絶は決して核兵器保有国や被爆地だけの課題ではなく、今を生きるすべての人々が乗り越えるべき課題である。今回の平和行動を通じて、被爆地広島の核兵器廃絶に対する強い想いを、職場や地域に持ち帰り、運動として展開していただくことを期待する。」と述べ、改めて核兵器廃絶と恒久平和の実現に向け、取り組みを進めていく決意を示しました。
続いて、地元地方連合会の大野真人・連合広島会長より「連合広島は、戦争を経験された皆さまと共に、同じ時代を生きる者の責任として、二度と悲劇を繰り返してはならないこと、そして平和の大切さを広く社会に訴え、未来へ繋げていく行動を継続している。現在も世界では各地で内戦・紛争が後を絶たず、今この瞬間も、平和・人権・暮らしが脅かされている。今年5月にアメリカが実施した臨界前核実験は国際社会が積み上げてきた核軍縮の取り組みを大きく後退させる行為であり、直ちに「核兵器廃絶広島平和連絡会議」を通じて、在日アメリカ大使館と日本政府に対して抗議の申し入れを行った。平和を願う気持ちはすべての国民の共通認識である。本日の集会においては一人ひとりにできることを考え、行動する契機とし、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現に向け、力を結集して頂きたい。」と述べました。
次に、来賓として玉井優子・広島県副知事、村上慎一郎・広島市市民局長からご挨拶をいただきました。また、リュック・トリアングル国際労働組合総連合(ITUC)書記長から「8月6日から9日は、核戦争がいかに悲惨な結末をもたらすかを切々と思い出させる。核軍縮は、世界共通の安全保障とSDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けた重要な一歩であるが、核の危険は高まりつつある。核保有国間で真剣な対話がなされておらず、核兵器の不拡散や縮小に関する重要な合意が無視されている。ITUCは核兵器禁止条約を支持しており、人類の未来に不可欠なこの条約をすべての国が批准するようさらに声をあげ、外交努力を強化しなければならない。この10年間、世界の軍事費は増え続け、2023年は過去最高の2兆5000億ドル近くとなり、核兵器関連費は910億ドルを超え、2022年より100億ドルも増えた。この資金を平和構築と社会プログラムに振り向けることができれば、破壊兵器の維持よりも人々の幸福が優先される、より公正かつ公平な世界をつくることができる。今日は記憶を新たにする日であると同時に行動する日でもある。ITUCは、核兵器の全面的廃絶を訴える連合を支持している。軍縮、平和的外交、恒久平和実現への献身的な取り組みを再確認することを国際社会に呼びかけ、協力と相互尊重にもとづいて共通の安全保障が構築される世界を目指して努力を続けていく。」との海外来賓挨拶をいただきました。
今回の学習会として、宮崎智三・中国新聞社特別論説委員からは、広島の原爆被害の実相に触れるとともに、「来年の被爆80年を前に核兵器のない世界は遠のき、実現は見通せない状況にある。どんなに厳しい状況であっても、被爆国としての歴史的役割と人類に対する責任として核兵器廃絶を絶対に諦めてはならない」との訴えが寄せられました。
被爆体験証言として、箕牧智之・広島県原爆被害者団体協議会理事長より、ご自身の体験を踏まえた当時の様子をお話しいただくとともに、「被爆者が生きているうちに核兵器を無くしてください。今生きているヒバクシャ110,000人の訴えです。」と、涙を浮かべながら平和への想いを語っていただきました。
続いて、若者からのメッセージとして、第26代・第27代高校生平和大使の皆さんから活動報告と決意表明が行われた後、大野真人・連合広島会長から平和行動次開催地の髙藤義弘・連合長崎会長へ連合ピースフラッグが引き継がれました。
最後に後藤理香・連合広島女性委員会委員長より平和アピール(案)が読み上げられ、満場一致の拍手で採択され閉会しました。
平和ヒロシマ集会の様子は、後日、連合公式YouTubeチャンネル「RENGO TV」にアップいたします。
なお、平和ヒロシマ集会に先立ち、広島市役所において連合代表団と松井一實・広島市長/平和首長会議議長との懇談を実施しました。
【ピース・ウォーク】13:00~15:30
連合広島の青年委員会・女性委員会のメンバーが「ピースガイド」として案内役を務め、広島平和記念公園内の慰霊碑や記念碑を巡る「ピース・ウォーク」を実施し、全国から516名が参加しました。
また、受付周辺では原爆パネル展を併設し、原爆の悲惨さを多くの参加者に伝えました。
【被爆路面電車 乗車学習会】13:20~15:30
原爆の被害を直に受けた2輌の路面電車が「歴史の生き証人」という大きな使命を背負い、現在もなお営業用車輛として使用されています。この車両に実際に乗車し、沿線の被爆建物や遺構を巡る「被爆路面電車 乗車学習会」を実施しました。連合広島青年委員会がガイドを務め、全国から91名が参加しました。
【連合・原爆死没者慰霊式】18:30~19:00
平和ヒロシマ集会終了後、原爆ドーム前にて、原爆死没者に対する追悼と恒久平和への願いを込めて「連合・原爆死没者慰霊式」を実施し、約900名が参加しました。
冒頭、出席者全員による黙祷を行った後、井上晃・連合広島青年委員会委員長による誓いの言葉が読み上げられました。芳野友子・連合会長、大野真人・連合広島会長、髙藤義弘・連合長崎会長、リュック・トリアングルITUC書記長による代表献花・献水に続き、各地域からお持ちいただいた献水、参加者一人ひとりによる献花がおこなわれました。
<8月6日(火)(2日目)>
【長崎平和の鐘 打鐘式】08:00~08:20
広島市立大学構内にて「長崎平和の鐘 打鐘式」を開催し、原爆が投下された午前8時15分に黙祷を捧げました。
「長崎平和の鐘」は、被爆50年の節目に連合長崎から連合広島へ送られ、その後広島市へ寄贈されたもので、参加者全員で鐘を撞き、平和への想いを一つにしました。
【平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)】08:00~08:50
広島市主催の平和記念式典(広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式)が平和記念公園の広島平和都市記念碑(原爆死没者慰霊碑)前で開催され、組合員を代表し、芳野友子連合会長、大野真人連合広島会長、髙藤義弘連合長崎会長、リュック・トリアングルITUC書記長が参列しました。
以 上