連合ニュース 2024年

 
2024年08月08日
国土交通省に連合の重点政策を要請
要請書手交の様子
 連合は8月6日、国土交通省に対し、連合の重点政策に関する要請を実施しました。
 
 冒頭、清水事務局長のあいさつの後、斉藤鉄夫国土交通大臣宛ての要請書を堂故茂国土交通副大臣に手渡しました。堂故副大臣からは、「今回いただいた要請事項はいずれも国交省としてしっかり取り組んでいくべき課題」として、「災害に強く持続可能なインフラ整備に取り組んでいく」「誰もが安心してくらすことができる居住環境の実現に向けて、地域の居住支援体制の整備も含め、進めていきたい」「全国における交通空白の解除に向けて取り組みたい」などのあいさつがありました。
 
 続いて、佐保総合政策推進局長が「政策・制度 要求と提言」の中から国交省に関わる要請事項(国土・住宅政策、交通・運輸政策)を説明し、同省幹部から回答を受けました。主な回答は以下のとおりです。
 
〇能登半島地震では、発生当日に国土交通省緊急災害対策派遣隊「TEC-FORCE(テックフォース)」を派遣し、これまで東日本大震災を上回る史上最大規模の派遣支援を行ってきた。今後の対策としては、地震発生後の被害を軽減する応急対策と、未然に被害を防止する事前の防災対策に取り組んでいきたい。そのために、ライフラインを普段から冗長性あるいは分散型ネットワークにするなど、災害に強く持続可能なインフラ整備を進めていきたい。また、港湾の耐震強化岸壁など、地震が起きた後、速やかに機能を発揮できるインフラ整備も行いたい。労働者の安全確保を最優先にしながら、国交省だけでなく、建設会社をはじめ、チームで取り組んでいく。
 
〇民間賃貸住宅を有効活用して、住宅確保要配慮者の居住の安定をはかることは住宅政策の大変重要な課題。能登半島地震では、応急的な住まい確保の一環として、民間賃貸住宅を借り上げて応急仮設住宅という形で提供している。引き続き内閣府、石川県、関係市町村と連携するとともに、次の段階として恒久的な住まいの確保に向けてもしっかりと取り組みたい。空き家対策については、高齢者世帯が増える一方で、大家は孤独死などの対応に不安を感じて入居が進まない現状がある。住宅セーフティネット法改正を踏まえ、住宅政策と福祉政策の連携をより一層強化し、地域の居住支援体制を整えていきたい。
 
〇ライドシェアについては、①車やドライバーの安全性、②事故が起こった際の責任体制、③適切な労働条件の3点が安全・安心の確保に非常に重要。このような安全・安心が確保されていない形で、有償で旅客運送を行うことは認められない。いただいたご意見を踏まえ、日本版ライドシェアはタクシー事業者の管理の下で行うこととしている。規制改革推進会議で法制度の議論が行われているが、諸外国の教訓を踏まえて、ドライバーと利用者の安全を大前提に検討を進めたい。なお、白タクについては、国交省は啓もう活動だけではなく、違法行為に対しては車検証とナンバープレートを取り上げ、使用禁止処分にするなど厳しい措置を行っている。
 
〇自動車損害賠償保障制度については、国交省として被害者やその家族の思いに寄り添った被害者支援と事故防止に取り組んでいる。保険料の一部が国の一般会計に貸し出されているが、2023年度の補正予算で約13億円、2024年度当初予算で約65億円の繰り戻し措置が行われた。2021年12月の財務大臣と国交大臣の合意にもとづき、今後も財務省に対して、全額の返還を強く求めていく。