連合ニュース 2024年

 
2024年07月01日
2024平和行動in沖縄を開催
~語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で恒久平和の実現を~
連合沖縄から連合広島へのピースリレー
 連合は、沖縄「慰霊の日」である6月23日から24日にかけて「2024平和行動in沖縄」を現地・沖縄県で開催しました。
 
【6月23日(1日目):2024平和オキナワ集会】
 「2024平和オキナワ集会」を、那覇文化芸術劇場なはーと・大劇場にて、「語り継ぐ戦争の実相と運動の継続で恒久平和を実現しよう」をテーマに開催し、全国の構成組織・地方連合会から約900名が参加しました。

第1部 基調講演
 前泊博盛・沖縄国際大学経済学部地域環境政策学科教授より「再考・日米地位協定~〝標的の島〟からの警告:米軍、軍拡、憲法、自衛隊~」をテーマに、基調講演をいただきました。
 講演の中では、経済軽視の日米安保共依存、対米共依存、軍事共依存、対中強硬論の危険性に触れつつ、日米地位協定の問題を解決するためには、軍を派遣している国の論理にもとづく現在の「旗国法原理」ではなく、軍を受け入れている国の法に従う「領域主権論」としていくことが必要であると指摘しました。さらに、日米地位協定の改定に向けては、国民やメディアによる「無視・無関心の壁」、実態を知らない、他国地域協定を知らない「無知の壁」など「8つの壁」を乗り越えなければならないとした上で、参加者に対して傍観者ではなく主体者となって平和を訴えて欲しいと述べられました。
 
第2部 平和式典
 冒頭、沖縄戦で亡くなられた御霊と世界中で起きている戦争や紛争で尊い命を落とされた方々のご冥福をお祈りし、参加者全員で黙祷を行いました。
 続いて、清水秀行・連合事務局長は主催者挨拶として冒頭「沖縄戦で亡くなられたすべての方々の想いを胸に、本日ご参集の皆さんと、平和の尊さ、戦争の悲惨さを、次の世代にしっかりと語り継ぎ、二度とこのような悲劇を繰り返さないことを、固く誓い合いたいと思います」と平和の重要性を訴えました。また、沖縄の現状や日本政府の対応に触れた上で「本来、話し合いによる外交努力を積み重ねることこそ、戦争のない、平和で安定した社会を築いていく上での基礎となるはずです。加えて、沖縄に偏った基地の実態や日米地位協定の問題も含めて、地域住民との十分な意思疎通をはかりながら、国や自治体が説明責任を果たすことが極めて重要であるといえます。しかし、それらがいずれも十分にはなされていないことが大きな問題です。連合は政府に対して、国民全体の問題として徹底した議論を重ねるとともに、地域の想いに心を寄せる努力、そして諸外国との外交交渉を強く求めていきたいと思います」と述べました。さらに挨拶の後段では「海軍司令部壕の司令官であった大田實少将は自決前、海軍次官に宛てた電文の中で沖縄戦の惨状と沖縄県民の献身的作戦協力を綴るとともに、『県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ 賜ランコトヲ』とし、沖縄県そして沖縄県民への『後世特別の配慮を』と訴えました。しかし、未だに多くの問題を抱えていることを、2024平和行動in沖縄を通じて、目にし、聞き、知ることになると思います。ぜひ、それらを家庭や職場や地域に持ち帰り、伝えてください。将来にわたって平和運動を継承し、継続していくためには、私たちが語り継いで、次の世代へと確実に繋いでいかなければなりません。決して他人ごとではありません。私たち一人ひとりが平和運動の担い手・発信者となり、この輪を一緒に広げていきましょう。」と参加者に呼びかけました。
 続いて、仲宗根哲・連合沖縄会長は地元挨拶として「戦後79年を経過してもなお、米軍基地・米軍専用施設は居座り続け、住民の命と暮らしを脅かす事件、事故も絶えることがありません。基地の整理・縮小どころか、オスプレイ、F16戦闘機の配備など米軍の機能はさらに強化されています。基地周辺では早朝から爆音が鳴り響き、軍用機から窓枠や部品が落下してくる。住民の生活はお構いなし、常に命の危機と隣り合わせという状況です。辺野古では、県民の総意を無視して新基地建設が強行されています。果たして、『復帰』とは何だったのか、考えざるを得ません」と語った上で、「『台湾有事への対応』といいながら、防衛費の増大、憲法改正をも視野に入れ、この国は、再び戦争への道に進もうとしているが、まさに、『新しい戦前』です。断じて許してはならず、過ちを繰り返してはいけません!若者の未来を、夢を奪ってはならないのです!夢や未来を奪う権限は誰にもないのです。あの悲惨な、戦争から、私たちは何を学び、受け継いでいくのか、今一度心に受け止め、人類普遍の願いである『恒久平和』を実現していきましょう」と参加者に呼びかけました。
 続いて、照屋義実・沖縄県副知事より来賓挨拶として「沖縄県として、県民の生命・財産を守るべく、日米両政府に対し、過重な基地負担の軽減と、日米地位協定の抜本的な見直しを引き続き強く求めます」と決意を述べるとともに「基地の返還が基地従業員の雇用不安や労働条件の低下につながることの無いよう日本政府に働きかけています」と述べました。また、国外情勢について武力による侵攻や衝突が続いていることに対して「住民が犠牲となる深刻な状況は沖縄県民が身をもって体験した沖縄戦の記憶と重なるものがあり、大いに心が痛みます。一日も早い停戦の実現と平和の回復を強く望みます」とした上で、平和に対する努力の成果を次世代にしっかりとつなげ、多様性に富む平和で誇りある沖縄の実現のために引き続き邁進するとの挨拶を頂きました。挨拶後には、ご来賓として出席頂いた沖縄県選出国会議員の皆様を紹介しました。
 次いで、仲宗根哲・連合沖縄会長から大野真人・連合広島会長へと「連合・平和行動旗(ピースフラッグ)」が引き継がれ、大野・連合広島会長より8月に開催する平和行動in広島に向けての決意が述べられました。
 最後に、堀川恵・連合沖縄女性委員会委員長が平和アピール(案)を読み上げ、満場一致で採択し、閉会となりました。
 
【6月24日(2日目):ピースフィールドワーク】
 在日米軍基地の実情や南部戦跡を視察・学習する「ピースフィールドワーク(現地視察学習)」を実施し、474名が参加しました。
 各所を説明する「ピースガイド」は、連合沖縄の青年委員会および女性委員会に加え、連合大分の青年委員会が担当しました。
  A(在日米軍基地)コース(参加:235名)
    瀬嵩の浜(辺野古、在日米海兵隊・キャンプシュワブ)
    →道の駅かでな(在日米空軍・嘉手納飛行場)→チビチリガマ
    →嘉数高台(中部戦跡、在日米海兵隊・普天間飛行場)   
  B(南部戦跡)コース(計121名)
    嘉数高台(中部戦跡、在日米海兵隊・普天間飛行場)→旧海軍司令部壕
    →ひめゆりの塔/ひめゆり平和祈念資料館→魂魄の塔
    →平和祈念公園/沖縄県平和祈念資料館
  C(南部戦跡)コース(計118名)
    糸数アブチラガマ(入壕)→ひめゆりの塔/ひめゆり平和祈念資料館→魂魄の塔
→平和祈念公園/沖縄県平和祈念資料館
 
 2024年の平和4行動がいよいよスタートしました。8月の広島・長崎、9月の根室と、平和行動を通じ平和への想いをつなげていきます。
 
 なお、集会の様子は後日連合公式YouTubeチャンネル「RENGO TV」にアップいたします。
連合の「米軍基地問題に対する活動」は、下記をご覧ください。
    https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/kizuna/peace/us-bace.html
  • オープニング(沖縄市山里青年会によるエイサー演舞)
  • 前泊博盛・沖縄国際大学教授による基調講演
  • 清水秀行・連合事務局長による主催者挨拶
  • 仲宗根哲・連合沖縄会長による地元挨拶
  • 照屋義実・沖縄県副知事による来賓挨拶
  • 地元選出国会議員
  • 大野真人・連合広島会長による平和メッセージ
  • 堀川恵・連合沖縄女性委員会委員長による平和アピール
  • 瀬嵩の浜から辺野古飛行場建設現場を望む
  • チビチリガマ
  • 旧海軍司令部壕
  • 糸数アブチラガマ入壕前の様子
  • 魂魄の塔
  • 平和祈念公園 平和の火