連合ニュース 2024年

 
2024年05月22日
林官房長官に対し「2024年度 連合の重点政策」について要請
要請書手交の様子(手交右:林官房長官、手交左:芳野会長)
 連合は2024年5月22日、林内閣官房長官に対して、連合の重点政策に関する要請を、首相官邸において実施しました。










 冒頭、芳野会長より「今年の2024春季生活闘争においては、33年ぶりの高水準の賃上げの状況にあり、政府の機運醸成の取り組みに感謝申し上げる。中小企業への波及と来年以降への継続が重要であり、引き続きお願いしたい」と述べ、林内閣官房長官へ要請書を手交しました。

 続いて、冨田総合政策推進局長が以下の3点を強調して要請内容を説明し、林官房長官からは、「要請内容はいずれも重要であり、骨太のとりまとめに向けて参考にしていきたい」との発言のあと、個別項目に対する回答がありました。

 最後に、賃金も経済も安定的に上昇するステージへの転換に向けた認識を共有し、要請を締めくくりました。

<要請のポイント>
〇担保法制の見直しに際し、労働債権および労働者保護を確実にはかるため、ILO第173号条約(労働債権の保護)の趣旨を踏まえ、担保権より労働債権を優先させる制度を新たに創設する。また、事業譲渡、合併など、あらゆる事業再編において、労働組合などへの事前の情報提供・協議を義務づけるなど、労働者保護をはかるための法制化を行う。
〇社会保険の適用拡大を着実に進めるとともに、すべての労働者への完全適用に向けて、適用要件を撤廃するなど制度の見直しをはかる。また、次期財政検証結果を踏まえ、将来的な基礎年金の給付水準の底上げを実現する。
〇地域コミュニティの希薄化など、自然災害の被災地が抱える問題の複雑化・多様化を踏まえ、被災者が安心して生活を再建できるよう、アウトリーチ型の見守り機能や相談体制を含む重層的な支援を強化する。プッシュ型の防災情報がすべての人に届くよう複数の伝達手段を確保するとともに、個別避難計画の策定、避難所の運営などへの多様な意見の反映を促進するなど、人命を最優先にした防災・減災対策を推進する。
 
<林内閣官房長官からの回答>
●担保法制の見直しについては審議会の中で調査・審議を進めていきたい。労働者保護に向けては労働組合との事前協議が努力義務となっているが、関係する各種法令・指針の周知をはかっていきたい。
●社会保険の適用拡大は進んできている。基礎年金については将来にわたり仕組みを維持することが重要である。財政検証を踏まえ、年金制度改正に向けて丁寧に議論を進めていきたい。
●能登半島地震では被災者の個々の状況を丁寧に聞き、支援情報の周知や避難所の環境改善などに取り組んでいる。防災・減災対策については頻発する自然災害の知見を集約し反映していきたい。