連合ニュース 2024年

 
2024年05月21日
「医療・介護フェス2024 ~安心と信頼の医療と介護 中央集会~」を開催
厚生労働省の鹿沼政策統括官へアピールを手交
トークセッションには構成組織から4人が参加
 連合は5月18日、「医療・介護フェス2024 ~安心と信頼の医療と介護 中央集会~」を日本教育会館で開催し、全国の医療・介護現場で働く組合員など約400名が参加し(ライブ配信視聴者数含)、命とくらしを守る仕事に見合う処遇への改善に向けて、現場からの声をみんなで訴えていくことを確認し合いました。
 冒頭、主催者を代表して芳野友子会長があいさつし、コロナ禍や能登半島地震など被災地での対応に敬意を表したうえで、「医療・介護サービスの持続可能な提供体制があってこそ、私たち労働者は安心して働き、日々の生活を送ることができる。それは現場で働く皆さんの日々の努力によって支えられている。本日の医療・介護フェスをきっかけに、強固な連帯のもとで、処遇改善をはじめとする医療・介護現場の課題を解決する取り組みにつなげていこう」と訴えました。
 続く第一部では、労働政策研究・研修機構の前浦穂高副主任研究員が「医療・介護の労働組合に何ができるのか ~処遇改善と人材確保に着目して~」と題して講演をし、医療・介護が様々な課題に直面している中、人材確保・処遇改善に向けて、連合、産別、単組それぞれが取り組むべきポイントや組織化の重要性などを説きました。
 第二部では、「医療と介護の現場にさらなる処遇改善を!」をテーマにトークセッションを行いました。この中で、UAゼンセン(日本介護クラフトユニオン)の大滝雄一さん、自治労(名古屋市労働組合)の天本敬久さん、自治労(長崎県職員連合労働組合)の原尾健作さん、ヘルスケア労協(日本赤十字労働組合横浜支部)の清水智美さんから、処遇改善の状況や職場の課題など現場報告を行い、訪問介護の基本報酬引き下げや看護補助者の雇用形態などへの懸念も含め、意見交換を行いました。
 最後に、UAゼンセン(北九州病院労働組合)の小關崇仁さんより、職場での賃金・労働条件改善への決意表明とともに、医療・介護現場で働くすべての人が仕事にやりがいや誇りを感じながら働き続けられるよう、継続的にさらなる処遇改善などを求めていくアピール(別紙)を読み上げ、参加者全員で採択し、閉会しました。

 5月21日には、同アピールを厚生労働省の鹿沼政策統括官(総合政策担当)に手渡し、要請しました。佐保総合政策推進局長からの訴えに対し、鹿沼政策統括官は、「物価や賃金上昇の局面を踏まえ、賃上げに重点を置いた診療報酬・介護報酬改定を行ったが、今後の状況を見ながら対応していきたい。訪問介護の基本報酬の引き下げへの懸念についても、状況を見ながら対応を検討していく。働き方に関しては、人材は限られているので、労働者を大切にし能力を発揮できるよう、働き方だけでなく、技術進歩を活用しながら生産性を上げ、仕事にやりがいを感じられる職場環境に向けて、しっかり対応していきたい」などと応じました。

 
  • 冒頭あいさつする芳野会長
  • 講演する労働政策研究・研修機構の前浦副主任研究員
  • アピール文を読み上げるUAゼンセンの小關さん
  • アピール手交の様子