連合ニュース 2021年

 
2021年11月09日
芳野会長が「第2回新しい資本主義実現会議」で緊急提言(案)に意見表明
 「第2回新しい資本主義実現会議」が11月8日、首相官邸で開催され、連合をはじめ経済団体、企業経営者、学者などの有識者が構成員として出席し、新しい資本主義を実現してくための具体策として政府から示された緊急提言(案)についての意見や提言が行われました。
 芳野会長は、緊急提言(案)に対する意見書を提出した上で、「最優先で取り組むべきはコロナ禍で生活が困窮している人への支援だ」と述べました。
 会議における芳野会長の発言の要旨は次の通りです。
 
<会長の発言要旨>
〇本提言において真に最優先で取り組むべきは、コロナ禍で生活が困窮している人への支援ではないか。支援が必要な方々へのマインナバー制度を活用したさらなる緊急支援体制の再構築や生活困窮者に対する居住・生活支援の一層の強化について検討すべきである。
 
〇さらに足元では、コロナ禍に追い打ちをかけるように、原油や食料品などの輸入価格が上昇し、中小企業や国民生活に影響が出はじめている。中小・下請け業者が、価格高騰分を適正に反映できるよう法令遵守と業界への指導の徹底をはかるなど、機動的な対策を求める。
 
〇賃上げを行う企業に対する税制支援について、本税制のこれまでの効果を検証しつつ、税制支援を強化する際には、適用要件判定などで使用される「給与等支給総額」から、時間外・休日労働による支給額を除外すべきだ。
 
〇義務教育終了段階では比較的高い理数リテラシーを持つ女性生徒は約40%にもかかわらず、高校、大学と進むにつれ、女子生徒の数は少なくなっている。これは「女性は理数系に向かない」というバイアスや職業選択の幅の狭さにある。大学、研究機関などのあらゆる分野においてポジティブアクションの取り組みを行い、時代を担う女性の科学人材を育成することが求められる。
 
〇男女間賃金格差の主な要因は、男女の平均勤続年数や管理職比率の差異はもとより、女性の職務・職域によるキャリア形成の遅れだ。男女雇用機会均等法・女性活躍推進法の履行確保を徹底することが、男女間賃金格差の解消につながる。また、女性が十分に活躍できない背景となっている「男性中心型労働慣行」、長時間労働の見直しや、固定的性別役割分担意識を払拭し、男女がともに働きやすい環境を整備することも重要である。
 
〇全世代型社会保障の観点から、看護、介護、保育等の現場で働くすべての労働者にとって、実際の賃金引き上げに確実つながる仕組みを構築すべきである。その際、医療については、処遇改善加算の仕組みがないため、診療報酬が看護職員をはじめとする医療従事者に確実に分配される仕組みを検討すべき。
 
 
以 上