連合ニュース 2021年

 
2021年11月02日
ジェンダー平等で多様性を認め合う社会をつくろう!
~「推進計画フェーズ1」で「203050」へスタートダッシュ~
トークセッションで立教大学首藤教授(左)が芳野会長(右)に問う
2021連合中央女性集会を開催

 連合は、2021年10月22日(金)に2021連合中央女性集会をWeb開催しました。構成組織・地方連合会等から1,064アカウント(うち初参加が505)が視聴しました。(参加申し込み人数:1,210名<女性782名、男性423名、どちらでもない1名、無回答4名>)
 
 冒頭、主催者を代表し芳野友子会長は「連合は今後2年間の運動方針で、意思決定過程への女性参画を促進し、その影響評価を行いながら政策などに反映していく『ジェンダー主流化』を掲げた。連合のすべての取り組みに、社会的・文化的につくられた性差にもとづく偏見や差別を解消し、性的指向・性自認、SOGIを尊重して多様性を認め合う視点を取り入れることが必要。『ジェンダー主流化』を連合運動の中心に据え、連合が一丸となって男女平等参画を進めていく。性別、年齢、国籍、正規・非正規の区別を問わず、多様な人たちの声により丁寧に、慎重に耳を傾け、すべての人が平等で差別されることのない社会の実現に向けて、取り組みをさらに発展させ加速化をはかる必要がある。本日の集会がその起点となることを願う」と挨拶しました。
 
 続いて、井上久美枝総合政策推進局長より、2022-2023年度運動方針「重点分野-3:ジェンダー平等・多様性推進をはじめとして、一人ひとりが尊重された『真の多様性』が根付く職場社会の実現」と、連合「ジェンダー平等推進計画」フェーズ1について基調提起を行い「世界的なジェンダー平等実現のために労働組合も率先して取り組む必要がある。後れを取ってはならず、みんなで更なる変革と挑戦で大きなうねりを作りたい」と述べました。
 
 次に、立教大学経済学部首藤若菜教授が「男女平等参画社会の実現に向けた労働組合への期待」と題して基調講演を行いました。講演では、(1)なぜ女性参画が必要なのか、(2)なぜ女性参画が進まないのか、(3)今労働組合に求められていることは何かについて、ウェビナー投票機能やワードクラウドを活用し、寄せられた回答を全体で共有しました。
<基調講演のポイント>
・女性就業率の上昇で労働力人口の減少は食い止められている。1985年に男女雇用機会均等法が制定されて以降、女性が働くのが当たり前になってきた。
・賃金格差について、賃金は男性を100とみると女性は今日まで50程度で変化がない。職種、勤続年数、管理職の女性比率と職務評価基準の正当性、雇用形態の違いが格差を起こしていると考える。
・連合は様々な取り組みで女性を組合へ登用しようとしている。しかし、組合活動で女性が経験する業務が男性と異なる傾向があり、調査によると女性は男女平等・広報・教育が多い。組合の中心的で重要な業務を経験する女性の割合が男性と比べると少ない。
・差別意識が高いほど、男女平等達成度が低い傾向にある。よかれと思う気遣いや配慮が、結果的にチャンスを奪っている可能性がある。
<質問項目と結果>
・組合のなかで役職(委員長や書記長など)に就きたいと思いますか?
(回答:ぜひやってみたい・頼まれたらやってもいい55%、できればやりたくない34%、絶対にやりたくない11%。<有効回答:約700>)
・なぜ「やりたくない」と思うのか?
(上位3回答:大変そう、責任が重い、時間がない。)
・その他の質問:組合では、男女間の役割分担があると感じるか?/組合の会議では、活発な議論が交わされているか?/組合の会議で発言しにくいと感じることはあるか?
 
 続いて行われたトークセッションでは、定期大会で選出され2週間余りが経過した芳野会長と清水秀行事務局長が就任後の率直な感想を述べた後、今後重視したい活動分野、連合に足りない取り組み分野、ジェンダー主流化や203050(国連女性の地位委員会が提唱した2030年までに意思決定の場に女性が50%入ること)の取り組みについての今後の展望等について決意を述べ、基調講演を行った首藤教授もトークに加わりコメントと激励を受けました。
 
 集会アピール採択では、中島智美連合茨城女性委員会委員長と吉田春菜連合福岡女性委員会委員長によりリモートにより提案され、多くの賛同を得て採択されました。
 
 締めの挨拶に立った山中しのぶ副会長は「連合ジェンダー平等推進計画」フェーズ1スローガンの「チェンジ・チャレンジ・ムーブメント」を用いて、「チェンジ:傍観者では何も変わらない。チェンジの気持ちを持ってほしい。チャレンジ:連合が結成されて初の女性会長が選出された節目の女性集会だった。性別に関係なく、失敗を恐れず挑戦する勇気を持ち体現することが必要。ムーブメント:本日の気づきを多くの方と共有してほしい。真の多様性はすべての人権を尊重して多様性を認めあうことである。違いを恐れず積極的に自分の意見を発信し、一歩を踏み出すことをお願いしたい。」との考えを視聴者で共有し、集会を閉会しました。
 


 
2021連合中央女性集会アピール

 私たちは、今日、「ジェンダー平等で多様性を認め合う社会をつくろう!~『推進計画フェーズ1』で203050へスタートダッシュ~」をテーマに「2021連合中央女性集会」に集いました。昨年に引き続きWebでの集会となりましたが、連合が結成されて以来、初めての女性会長が選出された節目の中央女性集会で、今ある課題と、これから取り組んでいくべきことを多くの全国の仲間と共有できました。 
 この1年、ジェンダーや男女平等、女性参画がこれまでになく話題にのぼるようになりました。社会の流れは差別を許さず、多様性を認める方向に進もうとしていますが、一方で、労働組合には依然として男女平等の担当者は女性、といった固定的性別役割分担意識が残っているのも事実です。
まずは私たち労働組合の男女平等参画を進めなくてはなりません。この10月からスタートした連合「ジェンダー平等推進計画」フェーズ1に着実に取り組み、意思決定の場への女性の参画を進めましょう。
 
ジェンダー平等で多様性を認め合う社会の実現には、ジェンダーの視点が欠かせません。あらゆる分野で女性の意思決定過程への参画を促進し、その影響評価を行いながら政策などに反映していく「ジェンダー主流化」を推進し、ジェンダー平等を普遍かつ中心的な課題にしていきましょう。
とりわけ、政治分野の女性参画を進めることが必要です。まさに今、衆議院選挙が行われています。女性の声を代弁し、意思決定過程に女性の意見を反映する政治家を1人でも多く誕生させましょう。
 
この「2021連合中央女性集会」で得たことを職場・地域へ持ち帰り、私たち一人ひとりが身近な仲間と共有することが第一歩です。私たち自身ができることを一つずつ行うことが、ジェンダー平等で多様性を認め合う職場・社会の実現につながります。
2030年までに意思決定の場に女性が50%入る「203050」に向け、「Change, Challenge, Movement!」を合言葉に、私たち自身がさらなる変革と挑戦へ踏み出し、大きなうねりを作り出しましょう!
 
2021年10月22日
2021連合中央女性集会


 
集会の動画はこちら
https://youtu.be/H7Q9gEVyzJg
 
配布資料はこちら
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/gender/womenrally2021/index.html
 
 
 
  • 開会挨拶する芳野会長
  • ひと言ずつ挨拶する女性役員
  • 基調提起する井上総合局長
  • 基調講演をする首藤教授
  • トークセッション(左から立教大学首藤教授、芳野会長、清水事務局長)
  • トークセッションでコメントする清水事務局長
  • アピール提案をする連合茨城中島智美さん(左)と連合福岡吉田春菜さん(下)、司会の今井瑞希中執(右)
  • 閉会挨拶をする山中副会長