連合ニュース 2021年

 
2021年09月09日
2021社会保障制度に関する構成組織・地方連合会政策担当者会議(1日目)を オンライン開催
連合三重より取り組み報告をされる金森副会長
 連合は9月8日、オンラインツールを活用して、「2021社会保障制度に関する政策担当者会議(1日目)」を開催しました。今回の政策担当者会議は、「多様化する生活課題と重要性を増す生活支援施策」を副題とし、ヤングケアラー、児童虐待、障害者の教育と仕事、居住保障など、従来の社会保障制度では十分に対応できていない課題の共有と取り組みの強化を目的としています。1日目には、構成組織・地方連合会から約50名が参加しました。
 
 冒頭、一般社団法人日本ケアラー連盟の堀越栄子代表理事に、「ヤングケアラー支援の政策的対応について―システムとしての支援、法制化・条例化による支援―」と題して講演いただきました。堀越代表理事からは、ケアラーとは誰のことか、ケアラーの社会的支援の必要性と課題、ヤングケアラーの現状、支援のための政策提言について、各種調査結果や当事者の生の声を踏まえ、分かりやすくお話いただきました。「ヤングケアラーは見ようとしないと見えない存在で見ようとしても見えにくい存在。ケアラーである前に成長過程にある子どもであることを大人が肝に銘じることが必要。過度のケア負担は子どもの健康、生活、人生に悪影響を及ぼす。ルールと支援のしくみが必要である」との指摘がありました。
 
 続いて、地方連合会の取り組み報告と課題提起では、連合三重の金森美智子副会長より、連合三重の政策・制度実現に向けた取り組みについて報告いただきました。「子ども食堂」への理解を深めるシンポジウムの開催や障がい者雇用の推進など、現場の生の声を県や議会議員、関係団体等と連携しながら進めている取り組みについて具体的な報告がありました。金森副会長は「日常に起きているさまざまな事象を政策課題として捉える力をつけておくことが重要だ。そして、実現のためにはさまざまな団体と日頃からのつながりを持ち、実現につなげていくことが大切。こうした取り組みを通じて、連合の社会的役割を果たすとともに労働組合への理解につながっていく」と述べました。
 
 次に、くれたけ法律事務所の磯谷文明弁護士より、子ども虐待について、体罰禁止など最近の議論を中心に講演いただきました。磯谷弁護士からは、「体罰と虐待は紙一重であり、「しつけ」のつもりで体罰をしているうちに、だんだんエスカレートし、虐待に至るケースは少なくない」とこの間起きた痛ましい事件と世代間連鎖につながっている実態について、お話がありました。また、法制審議会民法(親子法制)部会の議題に一つとされている懲戒権規定の見直しに関する現在の議論状況や、児童福祉法の改正状況等の最近の動向について、詳細に説明いただきました。
 
 各講演に続けて、連合本部より、ヤングケアラー問題と児童虐待問題について、最近の動向と連合の対応を報告し、参加者と情報を共有しました。
 
以 上
  • 講演を行う堀越代表理事
  • 講演を行う磯谷弁護士