基調講演:オードリー・タン台湾デジタル担当大臣
連合は、7月21日、「連合2021サマートップセミナー」をオンライン開催し、構成組織や地方連合会、さらにSNSを通じて応募のあった一般の方も含め、約600名が参加しました。
冒頭の主催者挨拶で神津里季生会長は、歴史的な転換点ともいえる大きな変化の局面において、その推移を見極 め、自らの指針に活かすためにも、多くの知見に触れ、示唆を得ることは大変重要であり、参加者のみなさんにも一つでも有益なものをつかんでいただき、「これから」を考える糧としてほしいと述べました。
基調講演は、「これからのデジタル × ダイバーシティ × デモクラシー」と題し、台湾のデジタル担当大臣・オードリー・タン氏が登壇しました。
オードリー氏は、2014年に台湾で起きた学生によるデモ運動「ひまわり学生運動」に触れながら、台湾における「デジタル民主主義」の進展や、官民とは異なる「社会セクター」の役割の重要性を強調するとともに、それらを背景とした台湾における新型コロナウイルスへの対応状況についても言及しました。
講演後は、多くの質疑に応えるかたちで、さらに議論が深められました。
つづく「セッションA:これからの社会連帯」では、富永京子・立命館大学准教授進行のもと、井手英策・慶応義塾大学教授とのディスカッションが行われました。
井手教授からは、「ベーシックサービス」を起点とし、「ソーシャルワーク(ワーカー)」が支え、つなげる社会づくりの観点を中心に、また富永准教授からは、日本における社会運動の特徴・分析をもとにした労働運動の役割・期待を中心に議論が展開されました。
さらに「セッションB:これからの民主主義と資本主義」では、国際経済学者・(株)山猫総合研究所代表の三浦瑠麗氏進行による、安田洋祐・大阪大学大学院准教授とのディスカッションが行われました。安田准教授は政治・経済のあらたな枠組みやその下での企業行動の可能性について、また三浦氏はグローバル化による資本主義の現状や、米国社会における価値観を軸とした分析を中心に提起されました。
ここまでで得られた多くの示唆を踏まえて、セッションCでは「これからの連合運動 ―私たちがつくる未来のカタチ―」と題して、NO YOUTH NO JAPAN 代表理事・能條桃子氏、IT フリーランス 兼 書店経営者の旦悠輔氏、 経済同友会副代表幹事の間下直晃氏、連合から逢見直人 会長代行、安河内賢弘 副会長、西田一美 連合奈良会長が登壇しました。
若い世代や多様な働き方の実践者、経済団体それぞれの立場からの発信と、現在の連合運動の担い手・リーダーとしての思いの相互作用により、「これから」に向けた大変充実した議論となりました。
最後に、相原康伸 連合事務局長が、今後の連合運動には社会に改革を実装する力が求められており、これまでに蓄積してきた財産も大切にしながら、予定調和にとらわれない新しいチャレンジをめざしていきたいと締めくくり、セミナーは閉会しました。
連合は、今回のセミナーで得られた知見も活かしながら、次期運動方針の策定を進めるとともに、運動の理解促進とさまざまな組織との連携強化に向け、よりオープンな社会的対話に積極的に取り組んでいきます。
動画はこちら(RENGOTVチャンネル)
https://youtu.be/KWw7v__ZFOI