神津 里季生 メーデー中央実行委員長
4月29日(木)、第92回メーデー中央大会を開催しました。今回は政府より東京都に緊急事態宣言が発出されたことを踏まえ、オンライン上での開催となりました。
最初に神津里季生実行委員長(連合会長)が主催者を代表して挨拶しました。神津会長は「働くことを軸とする安心社会…今ほど、この言葉をかみしめるべき時はないのではないか」と語りかけた上で、誰もが安心して働きくらすことができ、あらゆる差別のない、多様性が尊重され、互いに認め支え合う、持続可能で包摂的な社会を強く求めました。また、ミャンマーでの民主化弾圧について、「この暴挙を断じて、断じて許すことはできない。私たちは、国際労働組合総連合(ITUC)加盟の世界の仲間とともに、強く抗議の意を表する」と訴えました。最後に、「コロナ禍の難局にある今こそ、働く仲間に寄り添い「必ずそばにいる存在」として、労働組合の役割を発揮していきましょう」と呼びかけました。
来賓挨拶では、政府を代表して田村憲久厚生労働大臣が「日頃より働く者、生活者の立場から厚生労働行政にご支援・ご協力をいただき感謝申し上げる。今後とも働く皆様と意見交換を重ねながら、新型コロナウイルス感染症から国民の生活と雇用を守ることをはじめ、全力で取り組みを進める」と述べました。
続いて、メーデー中央大会を後援している東京都から、小池百合子知事が「この1年以上、医療・介護従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様方、都民の命や健康、生活を守るため昼夜を問わず懸命にご尽力をいただいている。私は現場を守る労働者の皆様をしっかりと支えてまいる。都庁の総力を挙げて、この危機を乗り越え、人が輝く東京を連合の皆様と共に作り上げたい」と述べました。
続いて、石巻市復興まちづくり情報交流館中央館のリチャード・ハルバーシュタット館長より、東日本大震災から10年が経過したことを受け、メッセージをいただきました。リチャード館長は「震災直後より、連合の皆様からも多大なるご支援、ご協力をいただき、心から御礼申し上げる。皆様のご支援がなくては石巻の復興は不可能だったと思う。最初は復旧であったが現在は復興に励んでおり、街並みも大きく変わってきたが決して終わったわけではない。まだまだ先が長く、やることがたくさんある。どうか、これからのご支援及びご理解をお願い申し上げる。」と述べました。
さらに、介護の現場で働く高橋久美子さん(自治労 三鷹市社会福祉協議会労働組合)、交通の現場で働く篠崎貴之さん(私鉄総連 東京地下鉄労働組合)それぞれから、コロナ禍においても日々、暮らしを支える働く仲間を代表しての訴えを行いました。高橋さんは「コロナ禍により高齢者の心身は弱り、その家族への負担は増大している。私たちも仲間と励まし合いながら対応を続けているが限界がある。皆さんと連帯し、高齢者の方々が安心して暮らすことのできる社会を実現したい」と、篠崎氏は「社会インフラを支える産業の責務として、コロナ禍においても、安全・安定輸送を確保し、日々最前線でコロナと闘っているエッセンシャルワーカーの皆さんを、安心して職場へ送り届けるため、全国の仲間が、懸命に働いている。この難局を働く皆さんと心を密にして乗り越えられるよう、全力で取り組む」と訴えました。
これに対し、相原康伸実行委員会事務局長(連合事務局長)は「私たちが支え合い、助け合うことで何ができるのかを問い直すことが重要である。その上で、今も社会を支える働く仲間の皆様に激励を送りたい」と感謝の思いを伝えました。
続いて、在日ビルマ市民労働組合のミンスイ会長が登壇し、ミャンマーの民主化弾圧に抗議する立場から訴えました。ミンスイ会長は「ミャンマーでは国軍のクーデターにより、幼い子や妊婦までもが犠牲となっている。平和と民主主義が戻ってくるよう私たちも頑張る。連合の皆様にもご協力をお願いしたい」と呼びかけました。
最後に、井岡由美メーデー常任実行委員(JP労組)がメーデー宣言(案)を提案し、満場の拍手で採択されました。
式典は、杉原明日美メーデー常任実行委員(基幹労連)のがんばろう三唱で閉会しました。
なお、第92回メーデー中央大会の模様は、以下のURLよりご覧をいただけますので、是非ともご視聴ください。
URL:
連合|7つの絆 メーデー (jtuc-rengo.or.jp)